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- ●傷の中のふけつ物
- 我らの兵士は(訳者記、旧版本およぴカナダ本には「日本の兵士は」となっている)自分の体を清潔にしています。毎日面倒でも熱い揚を浴びます。なぜそんな面倒なことをするのか分かりますか?
- それはですね、もし傷ついた場合、皮膚が汚れていたらその傷が膿うんで悪化することがあるからです。けれども、皮膚が清潔であれば、とても早く治るのです。
- 君が体を清潔に保つのも、たびたび手を洗わねばならないのもこの理由からなのです。君たちは、いつも指を切りそうになったり、指の関節の皮膚擦り剥くいたり、またはこれと同じような元気のよいことをやりかねないでしょう。このとき皮膚が清潔であるならば、傷は早く治ります。ところが切り傷の中に不潔な物が入ると熱をもって熱くなり、腫れ上がって膿みます。こうなると良くなるまでに日数はかかるし痛さも長く続く・・・・これはみな傷口を清めるという注意をしないことによるのです。ですから、もし擦り剥いたり切ったりしたならば、傷にヨードチンキを塗っておけばよいのです。
- ある紳士がある婦人とダンスホールでダンスをしていたところ、その女の人の櫛が抜けて落ちかかりました。それを捕まえようとして素早く手をあげたところ、悪いことに紳士の鼻を引っ掻きました。男の人は気にもかけずそのままにしておきました。たぶん踊り場のごみがその小さい傷口に入ったのでしょう、後で膿んで血の中に毒が入ったらしく、一週間か二週間たたないうちにその紳士は死んでしまったのです。
- だからどんな傷でも、たとえどんなに小さい傷でも、よく気をつけてよく洗い、そして包んでおくことです。そうしておけば不潔物も入りませんし、また治りも早いです。ただし包むときガーゼは特に清潔にしてバイキンを付けないようにしなければなりません。
- また傷口が冷たい空気に触れないように包んでおくと、痛みも軽いです。
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- ●火やけど
- もし、体の皮膚を剥ぎ取るならば、その下からとても柔らかな肉が出ます。これは冷たい空気に触れると湯沸かしのように熱くなります。やけどをすると皮膚は壊されて肉が空気に触れる。この時どうしますか? それは、柔らかい布切れか清潔な紙を軽くあてがうのです。その表面は恐ろしく柔らかいので、固いものでは痛くて我慢できません。その上とてもベタベタくっつきますから、直にその上から物をあてがうと、それが何であろうとともひっついてしまいます。後でそれを剥ぎ取ろうとするとき非常に痛くて取りにくいのです。
- 室内なら、清潔な布切れを温かい湯に漬け、その布切れにベーキングパウダーをつけます(救急章のところを見なさい。そして、これをやけどしたところに当てるのです。毛もの、またはきれいなハンカチーフを畳んで当て物として・ドレッシング(ガーゼなど)の上にあてがい、その上を静かに包帯します。
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- ●湯やけど
- やけどといっても、煮え湯、油、その他熱い液体によるものです。これは、火やけどと同じようにできるだけ速やかに包まなければなりません。もし何もないならば、清潔な布切れを当てます。このやけどは、きっと水(火)ぶくれができます。それを破いたり突き刺さないように注意しなさい。
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- ●ショック
- 火傷や湯傷またはその他の怪我をしたとき、人々はショックを受けるものです。電気のショックは、電線に手を出さなければ起きることはないものです。誰かがやられたときには、できるだけ早く大人を呼びに行く人を探して走らせます。これを忘れないように。君がたとえその病人の看病を自分でできると思っても大人を呼ばねばならないのです。
- 大人が来るまで、病人を温かく静かにしておく。他の人たちがそのまわりに集らないようにします。
- 〔訳物記、旧版本およびカナダ本には、この次に約2ページにわたり、体操が出ている。)
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- ●板わたりゲーム
- テストの中に「長さ12フィート幅6インチの板を、地上3フィートから3フィート6インチの高さに渡したその上を、渡り歩くこと。」というのがありますね。けれどもカブたちはそんなやさしいことはやりたがりません。もっと難かしいバランスとりの遊びを考えています。練習のために4インチまたは6インチの排水鉄管を地上に置いたり、2枚の板を継ぎ合わせたり、低い壁を利用したりします。その一方の端にリンゴだのちょっとした賞品を置きます。カブは歩いてそこまで行き、しゃがんだり腰を曲げたりして、それを拾いあげ、まわれ右をして元のところに安全に戻ってくるのです。
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- ●石とびゲーム
- 小さい板切れまたはボール紙の板切れを地上に釘止めするか、あるいは地上に書いてもよい。それはちょうど谷川の石ころの上を跳んで渡る時のように、跳び右がうねうねと螺旋状になるようにつけるのです(狭いところもあり、広いところもある)。カブは1人ずつ順番にこの跳び右コースを2回跳びます。2回目のときは8インチ平方のボール紙の上にテニスポールを乗せたものを手に持って跳びます。ボールを落とさないようにね。
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- ●実習
- 1人の少年が、火事の火にやられたという知らせを受けたと仮定します。手近にあるもの、たとえば毛布・上衣・他の少年のジャケット・布ぎれなどで、その少年を巻いて包むのです。
- この実習を1人ずつやらせます。よく覚えて忘れないよう本当のやり方でやらせるのです。
- やけどの患者の扱い方を実習すること。
- 指の切り傷の清め方、包帯の仕方を実習する。
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- ●自然観察
- 君たちは、いつも眼をよく開くて歩いていますか? どうだかなぁ。
- もし、君がよく限を開いて観察しているのであれば、このテストを難かしいとは思わないでしょう。テストにはこうあります。「生きている鳥(家で飼っている鳥ではなく)3種と木を3種、およびこの他3種の自然物を観察して説明すること」と。後の方のものは自分で選んでよいのです。他の物と違ったものを、何か選ぶようにしなさい。
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- ●文通規則のおさらい
- 忘れるのは早いものですね。そう思いませんか? だからアケイラは君たちが第1星章で学んだのを覚えているかどうかを知りたがっているのです。それとともにその知識をもって他のカブたちや、よその子供たちが交通規則を勉強してそれを守るのを助けてあげたかどうかをも知りたがっています。
- まだまだありますよ。もし君が自転車をもっているという幸運に恵まれているなら、あるいは自転事に乗れるならば、私は君がよく気をつけてそれを乗りまわすこととサイクリングする時の道路規則を知っていることを見せてくれるものと信じます。
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- ●第2星章への進級式
- いよいよ、第2星章の最後のテストになります。君がもし第1星章で学んだことを全部覚えていて、よく知っている上にアケイラにしてみせるならば、君は帽子に2番目の星をつけることができます そしてオオカミのように2つの眼を開いていることになります。今までよりも一層アケイラの力になったり、他のカブたちを助けたり、家では両親に尽くし、道で出会った人々を助けるようになります。けれども、それは今までに習った第2星章ばかりでなく、第1星章もまたテンダーバッドのことも忘れないで実行を続けていればこそできるのだということをよく心にとめておきなさい。
- この本の第U部を見ると、技能章のことが詳しくわかると思いますが、その前に君が第2星章のカブになったとき、アケイラが考えてくれるセレモニーの仕方について話しましょう。
- 隊は、テンダーバッド進級式の時のようにパレード・サークルをつくります。ただし、第2星章をもらうカブたちはサークルの中に帽子なしで立ちます。2つの星がついた帽子はアケイラがもっています。こうしてからアケイラは、君らは立派にテストにパスしてウルフ・カブの全課目を終えましたと言うのです。
- アケイラは二つ星の意味を話します。それはオオカミは生まれた時は、まだ2つの眼をつむっている。5〜6日たつと手さぐりするようになるが、まだ眼は見えない。けれどもだんだん眼が見えるようになる。物が分かるようになる。最初に物を見る見方を知り、年上のオオカミの指図に従う。テンダーバッドのように、オオカミの群の「さだめ」「やくそく」を習う。自分の体を強くする方法、元気に働く方法を習うのです。
- それから、自分の体でいろいろなことをするやり方を知り始める。跳んだり駆けたり、互いに合図をし合ったり、狩りをして自分の食物を取ったり、自分たちの隊に忠節を尽くしたりします。ですから君たちも、信号の仕方、絵のかき方、縄結びを学ぶのです。そして、人のために尽くしたり、神と女王や国へのつとめを尽くすのであります。
- 君たちは、二つの眼を見開いて訓練されたオオカミの子供もの「つとめ」を尽くすことを示してくれましたね。ですから、今日からは、二つの星のついたキャップをかぶってよいのですよ。これは君たちの二つの眼が星のように光っていることを表わします。その眼はすばしこく良く見えます。何一つ見落とすものなしです。君たらは前方を見る。自分たちに助けを求めているものに対する用意をします。周囲を見回して助ける人はないかと見る。後ろの方も見て、言われたことを思い出す。このようにして君たちはスマートな有能なカブとなるのです。(訳者注、ここまでがアケイラのお話)
- もしその隊にトーテムポールがあれば、サークルのまん中に持ってきます。
- 〔訳者記、この次のところ英国本とカナダ本と少々ちがうので両方をかかげておく。はじめ英本から〕
- 隊は、トーテムポールに対しグランド・ホウルで敬礼します。
- 隊長は、トーテムポールを握って言います。
- 「さあ、君の二つの眼をトーテムポールの二つの眼と、隊のすべての二つの眼に注いで、君はカブとしての『やくそく』を繰り返して唱える気がありますか?」
- 各カブは順番に出てきてトーテムを握ったまま『やくそく』を唱える。「ぼくは、やくそくします。」
- 次に「さだめ」を言います。隊長はキャップをかぶせてやります。
- 〔カナダ本は〕
- トーテムポールをもっている隊は、副長がそれをサークルの中に持ってくる。
- 隊はグランド・ホウルをする。第2星章に進級するカブたちは
- アケイラと一緒サークルの中にいるけれども、このグランド・ホウルに唱和する。
- 隊長は言う・・・・
- 「君たちは、カブとしての『やくそく』を繰り返し唱える気がありますか?」
- 各カブは順番に出てきて、一句ずつアケイラの後に付いてて唱える。隊長は1人ずつにキャップを手わたす。
- (訳者記、このあとは英本・カナダ本とも同じ)
- そのカブは次の者に道を譲る。みんなが『やくそく』を唱え終わると隊長は
- 「みんな、ベストを尽くしますか?」と聞く。
- カブたちは「ウィール・ダブ、ダブ、ダブ、ダブ」と答えます。
- 隊長「では、良い狩りをなさい!」と言い、手を振って去って行きます。
- カブたちは、自分の組のところへ駆けて行って握手し合い、横隊を作ります。
- 〔カナダ本に・・・・これは特に催した祝賀式の場合の例である。これを父兄会のプログラムの中に組み込んでもよい。但しそのためにカブを待たしておくのはよくない。・・・・と付記している。〕
- (訳者付記、カナダ本には、ここに体操が出ている。これは既に第10食に出しておいたもの・・・・)
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