●カブ隊長へのノート ラジャード キプリング(Rudgard Kipling)の著書「ザ・ジャングル・ブックス」(The Jungle Books)は、狼の話を基調としたものである。本書の、始めの2、3「食」は、これをテーマとしている。もし、諸氏が、そのわけを話してやったのちに、この「ジャングル・ブックス」を、カブたちに読んできかすことが出来るなら、カブたちは、大よろこびで聞き、そしてその先、全部のわけを味わいたがるであろう。 × × × × × むかし、むかし、ずうっと遠い、インドの国で1匹の、とても大きいトラが、食べ物を探しに、ジャングルの中を、うろつきまわっていました。まもなく、トラは、1人の木こりが、家の人といっしょに、キャンプしているところへやってきました。そこでトラは、大よろこぴ、これはしめたぞ、あそこに寝ているおとなの人間を、とってたべようか、それとも、あの、よくふとった赤ちゃん、そのほうが朝ごはんには、もってこいだと、考えたのでした。 このトラは、からだの大きい、力のある動物なのですが、とても、卑怯ないくじなしだったので、森の中などで、武器(ぶき)をもっている人間に、出逢うことを、畏れるのでした。 このトラは、キャンプ・ファイアめがけて、そーっと、はって近づさました。ところが、食べ物のほうに目がくらんで、はって行くうちに、たき火の、熱い、もえさしの中に、足をふみつけたのです。 あまりにも、熱かったので、トラは、思わずうなったのです。そのうなり声は、キャンプにねていた人を起こしてしまったので、トラは、とうとう、空き腹をかかえたまま、びっこをひきひき、にげていってしまいました。 ひとりの、小さい人間の子供が、かくれようとして、薮の中に、かけて行きました。その薮の中で、1匹の、大きな、灰色のオオカミとであったのです。ところが、このオオカミは、とても勇気があるうえに、たいへん親切なオオカミでした。で、この子供が、ちっとも、オオカミを、怖がっていないことがわかると、このオオカミは、その人間の子供を、イヌが子イヌをくわえるみたいに口にくわえて、近くにある自分の、ほら穴の中へ、連れて行きました。 その、ほら穴の中には、母オオカミが何匹かのオオカミの子供と、住んでいたのですが、その母オオカミは、この人間の子供を、自分の子供と一緒に育てることにしました。 そのすぐあとで、タバキというジャッカルが、あの、トラのところへ、やってきました。(ジャッカルというのはキツネとオオカミの、中間ぐらいのサイという動物です。トラは、シェアーカンという名前です。そして、「トラさん、ぼくは、あの人間の子供のいるところを知ってるよ。君が、人間の子供を食べたいならば、そのかくれ場所を、おしえてあけてもいい。だが、おしえてもらったお礼に、ぼくに、少しでいいから、そのごちそうを、分てくれなきゃ、いやだ。あいつは、岩の下の方にある、小さなほら穴の中にいるよ。」と、いいました。 ジャッカルという動物は、卑怯な動物です。ほかの動物に狩りをさせ、殺させて、自分はその食べ残りを、拾ってたべるのです。 シェアーカンは、そう聞くと、その、ほら穴の入口にやってきました。そして、あなの中に頭を入れようとしたのですが、入口が狭くて、入りません。灰色のオオカミは、そのことをよく知っているので、安心して、トラをふせいでいたのです。 オオカミは、トラにむかって、早くあっちの方へ行け、自分のたべものは自分でとってくるものだ。ひとが、とってきたものを、盗むようなことをするな、と、いいました。また、森の「さだめ」に、動物は人間を殺さない、ということがある。そのさだめを、破ってはいけないぞ。もしも、人間を殺すならば、人間は大勢やってきて、その人殺しを狩りとるのだ。そして、その狩りは、森の動物ぜんぶに、迷惑がかかってくる、と教えたのです。 これを聞くと、シェアーカンは、腹をたてて、吠えました。そして、なんとかしてやっつけてやろうと、脅し、オオカミを、いじめようとしました。そのとさ、だしぬけに、母オオカミが、やってきて、シェアーカンに、あなたは自分の用事をしに、早く、かえりなさい、わたしは、この子供の、世話をするからね、あなたが、油断をしていると、いまに、この子供は大きくなって、あなたを、殺しに行くわよ、と、いいました。 こうして、この人間の子供は助かり、オオカミたちの家族のひとりとして、大きく育ちました。みんなは、この子供を、マウグリイとよびました。そして、ジャングルでの、走りかたや、獲物の狩り方などいろいろの、勉強をさせました。 こうして、この子供は、勇ましく強い人間となりました。みんなは、ある岩のところで、このパック(隊)の、オオカミの全員があつまってひらく会譲に、このマウグリイをつれて行きました。 オオカミの仲間の若ものとして、学ばなければならないことが、たくさんあるのです。 [ダブリュ−・ジェ−・ロングという人の書いた「北の国の足あと」という本で、君たちは、オオカミの子供が、親オオカミから、狩りのしかたを、おしえてもらう有様を読むことがでさます。](訳者記この部分カナダ本だけにある。) それは、第1に、体を身軽にすばしこくはたらかす、練習なのです。それができると、バッタを狩りすることを許されます。バッタに、飛びかかって掴んだり、ねじったり、押さえたりするのです。この、練習の時、親オオカミは子オオカミに、食べ物を、ひとつも、やりません。もし、お腹がへって、なにかほしくなったら、自分で狩りをして食べなさい、と、教えるわけです。 鳥に向かって、飛びかかったり、体をかわして、突進しましたが、これは、無駄だということが、すぐ、わかりました。どうしても、やっつけようと思うならば、そーっと、這いながら忍びこんでいって、寝ころんで、待っていなければなりません。こういう勉強を、本式にしなかったら、飢え死にするほかありません。自分の食べ物は、自分のカでとって食べるのであります。 スカウトになりたいと思う子供も、これと同じなのです。第1に学ばねばならないのは、スカウトの仕事と、その務めであって、これは、教えるカを持っている、先輩のスカウトから、教えてもらうのです。 また、ゲームや、運動をして、自分の身体を活発にし、強くすることも忘れてはなりません。それからまた、生きてゆく方法を考えねばなりませんが、これは、ゲームではできません。成功したいと思うならば、ぼんやりしないで、注意深く進まねばなりません。どんな職業につくにしても、自分のために、役立つと、思うことは、できるだけ多く学ばねばなりません。自分の成功は、自分の力でつくるものであって、自分の先生や、父母の力に、たよってはなりません。 ですから、本物の、オオカミの子供、(ウルフ・カブ)のようになって、自分の成功を高めるよう、決心なさい。どうすれば成功するか、その仕方については君が、大きくなってスカウトに進んでから、学ぶでありましょう。 >>>>目次に戻る↑↑ ●ウルフ・カブ ボーイスカウトに入隊するには、まだ年が足らない若いスカウトのことを「ウルフ・カブ」と名づけます。なぜかというと、ウルフ・カブとは、若いオオカミのことです。そして、スカウトのことをオオカミとよぶので、ウルフ・カブといえば、それは、若いスカウトということになるのです。 アメリカの、西部の大平原にすんでいる、レッド・インデイアンたちは、スカウトの民なのです。その種族の人たちの1人1人はみんな、りっぱなスカウトです。もし、そうでなかったら、だれも、インデイアンのことなんか考えないはずです。 ですから、若い勇士の間では、だれが1番最高のスカウトになるかという、激しい競争をします。そして、最高点をとった若者は「オオカミ」(ウルフ)という名まえをもらったものです。 その名前には、「灰色オオカミ」とか「黒オオカミ」とか「赤オオカミ」だの「やせオオカミ」など、色々の名がつけられたものですが、「オオカミ」といえば、みな名誉のタイトル(称号)であって、りっぱなスカウトであることを意味するのでありました。 もし君たちが、世界旅行をして、南アフリカに行くならば、そこには、かわった人間がすんでいます。(それは、レッド・インデイアンとはちがう、黒い蛮人なのです。)しかし、かれらもまた、良いスカウトであります。そして、ここでも最高のスカウトのことを「オオカミ」とよんでいるのです。 ウルフ・カブはボーイスカウトをみならい、ボーイスカウトはローバースカウトや先輩のスカウトまたはパイオニアをみならう みなさんの知っているように、スカウトとは、勇ましい、力の強い人で、自分の務めを果たすためには、危険な死をも、よろこんで、おそれない人です。そして、昼間であろうと、夜であろうと、知らない土地で自分の行く道をみつけだす方法を知っています。自分の世話は自分ですることができる。火をこしらえて自分の食べ物を料理することもできます。動物や、人間のつけていった足あとを見つけて追跡することもできる。これは、目で見なくてもできるのです。自分のことだけでなく、女の人たちや、小さい子供たちの力になってあげ、親切にします。とりわけ、彼は、自分の頭になる人のいいつけに、死をかけて従います。 南アフリカで、一番すぐれている土人は、ズールー族で、この一族は、マタベルと、スワジスと、マサイに住んでいます。 そこにいる者は、みんな、良い戦士であり、スカウトであります。それは、子供のときから、スカウティングを学ぶからなのです。 この一族の少年は、大人たちが戦争に行くとき、戦士の、寝床と、食物を運ぶために、ついて行くのです。 しかし、子供は、戦はしません。ただ、遠くから、戦いを眺めているだけであります。そして、自分たちの順番がまわってきたとき、どのように、戦ったらよいか、見学(けんがく)するのです。この少年のなかで、1版スマートな、するどい子供、これが「ウルフ・カブ」であって、この土人の仲間の、未来のウルフ・スカウトなのであります。 >>>>目次に戻る↑↑ ● ズールー少年のテスト けれども、少年たちが、スカウトや戦士になることを許される前に、どうしても、受けねばならない、とてもむずかしい考査があるのです。かれらは、それにパスしなければなりません。 少年が、もう戦士になってもよい年頃になると、呼ばれて、まっぱだかにされます。そして、体中いっぱい、白く塗られるのです。自分の身を守るための1枚の楯と、けものや敵を倒すための1丁のアツセガイという武器または、小さい槍をわたされます。そして、「ブザシュ」(森のしげみ)の中に、追っぱらわれるのであります。 体いっぱいに塗られた白いものが、まだ、はげてしまわないうちに、誰かに、見つけられたならば、その少年は、狩りされて殺されるのです。その白いぬりものは1か月ぐらいは、はげません。洗っても、落ちないようになっています。 ですから、その少年は、一月ぐらいジャングルの中に隠れなければならないし、なんとかして、死なずに、生きていなければならないわけです。 少年は、シカの足あとを見つけて追跡(ついせき)せねばならないし、食物にしたり、着物にするために、獣を槍で、突き刺すのですが、槍が届くところまで、這って近づかねばなりません。料理するのにいる火は、二本の木の枝をこすりあわせて作らねばなりません。これはマッチをもっていないからです。かりに、マッチをもっていたとしても、それを入れるポケットがないでしょう。火を焚くにしても、煙をあまり高くあげないように気をくばらねばなりません。そうしないと、自分を、狩りしようとして、見張りをしている斤候(せっこう)の目につくからです。 彼は、また、長距離のランニングや、木のぼりや、川を泳いで渡ることが、できなければなりません。それは、自分の後を追跡してくる者から、逃げるためです。 また、勇気がなくてはいけません。自分を攻撃してくるライオンだの、そのほかの野獣に、立ち向かうので、怖がってはできない。 かれは、どんな植物が食べ物として良いのか、どれが毒草(どくそう)なのかをよく知っていなければなりません。そしてその、料理法も知っていなければならない。もちろん、お鍋なんかはないので、木の皮か、粘土でつくらねばなりません。住むためには、小屋を作らねばなりませんが、これは見えないようにせねばならない。 どこへ行くにも、自分の足あとをのこさないよう注意しなければなりません。足あとというものは、つけねらわれるからです。寝ているとき、いびきをかくならば、耳のするどい敵の手に、自分をわたすことになります。ですから、口をあけて寝ないう、そして、呼吸は鼻でするように、稽古します。 左から右に、アンファン(ねどこもちの少年)、若い戦士、それにリングコップこれはベテランです。これは、わたしたちの、ウルフカブとボーイスカウトとスカウターにあたるものです。 一月の間、こうして、暮らすのですが、暑い日があったり寒い日があったり、雨の降る日もあるのです。 白い、塗りものが、きれいに、はげてしまった時、彼は、村へ帰ることができるのです。そのときは、みんなから歓迎されます。そして、この種族の、1人前の若い戦士の、仲間に加わることを許されるのであります。 かれは、引き続いて、立派なはたらきをし、そのカによって「リング・コップ」という位に昇ります。これは、頭にリング(輪)をつけることを許されます。その後、尚も続けて昇ってゆくと、おしまいに、とうとう「オオカミ」という、名誉の、タイトルがもらえるのです。 けれども、白塗り時代をうまく切り抜けられなかった少年が、たくさんあったことも、考えられますね。ある物は野獣に殺され、また、あるものは、人間に殺されたであろう。飢え死にした者や寒さのために死んだ者、水に溺れて死んだ者も、数知れずあったでしょう。ですから成功した者は、皆、立派な者ばかりです。これは本当に、優れた者だということを、証明しているわけです。 ずいぶん、きつい考査ですね。そう思いませんか? >>>>目次に戻る↑↑ ●イギリスのスカウト わが国には、今から何百年もの昔、ナイト(騎士)と呼ばれるスカウトがありました。自分たちのつとめのためには、死を覚悟してはたらき、老人をいたわり、婦人や幼児のために尽くし、親切であることを、誓った人たちでありました。 かれらは、ちょうどズールー人のように、子供の頃から、自分たちの、つとめについて、まず学んだのです。そのつとめとは、騎士につかえるページ(=見習)となって、騎士が、鎧甲をつける手伝いをします。だんだん成長して青年になると、エスクイアー(=徒者)となり、馬に乗る稽古、武器の使い方を学び、ナイトの「おきて」を守ります。彼らが、立派に、つとめを果たしたことが認められ、進級を証明されると、ほんもののナイトになります。ズールー族の若い戦士と同じようですね。 これは、何百年も昔のことなのです。そこで、多くの少年たちは、今でも、ナイトがあるならば、ナイトになりたい。そしてナイトのように、自分のつとめを果たしたい。そのためには、喜んで、ページ(見習)にも、エスクイアー(徒者)にもなる、と言いだしました。 ところが、今の世の中にも、それが、ある方法で、残っているのです。 私が、現代のナイトとしてスカウトととして、尊敢しているのは、われわれのイギリス連邦帝国のまだ、拓けていない土地で、はたらいているフロンティアーズメン(辺地開布者)なのであります。また、バックウッズメン(森の中で働く人たち)とか、ハンターズ(狩りする人たち)とか、エキスプロラー(探険隊)とか、マップメーカー(地図を作る人)とか、兵士だの、飛行家、それに北極航海者ミッショナリーズ(宣教師)とよばれる人々・・・・こういう人たちは、未開の土地で、いろいろな、困難と危険に出会って、暮らしている。それは、自分たちの、つとめをはたすためで、そのつとめとは、困難にうち勝ち、自分で自分の体に気をつけ、勇敢で、親切で、正義のため、世界中に、イギリス人の名をあらわしている人々なのであります。・・・こんな人々こそ、今日、われわれ民族のスカウトであります・・・みな、「オオカミ」なのであります。 けれども、この人たちが、もしも、子供の時に、十分はたらき方を学んでいなかったら、これは、できる仕事ではありませんね。 どうすれば、スカウトになる方法が学べるか(この題目、英 本になし) それですから、イギリス連邦と帝国の少年たちは、まず、ボーイスカウトになることによって、スカウトになる方法を学ぶチャンスを持つのであります。ちょうど、その昔、エスクイアーたちが、ナイトになる方法を学んだのと、同じようにします。 昔の、ページたちが、エスクイアーになろうとして、準備したように、年少のスカウトである「ウルフ・カブ」たちは、ボーイスカウトになる、なりかたを学びます。そして、ボーイスカウトに入れる年齢がきたとき少年隊に入隊するのであります。 ウルフ・カブのつとめ(この題目も英本になし) 私は、この本の、後の方で、ウルフ・カブが、学ぶいろいろのつとめについて、書いてゆこうと思います。たとえば、ロープの結び方や、火の作り方、キャンプを愉快に楽しむ方法、自分のねぐらのたて方、はじめての土地で道を探す方法、仲間に信号を送る仕方、人々に善行する方法、ふいの出来事の場合の助け方、など。 これは君たちが、お金もちの家の子供なのか、それとも貧しい家の子供なのかというような区別をしません。また、君たちの国とか、町が、どこであろうとかまわないのです。私のいう通りに進んで行くならば、とても、やさしく学ぶことができるのです。 >>>>目次に戻る↑↑ ●会議岩と円陣 オオカミのパック(群)が、ジャングルの中で、集まる時、年寄りのオオカミのアケイラは、まん中の大きな岩の上に立ちます。そして、パックは、アケイラを中心とした円陣を作ってすわります。 ですから、ウルフ・カブのパックも、その岩を表すために、小石を円くおいたり、クイを打ったり、チョ−クでこのように円を描いたりするのです。 このロック・サークル(岩の円)は、さしわたし3歩ぐらいで、円の中心には、トーテム・ポールを立てます。 パレードサークル(集会用円陣)の作り方 (この題目も英本になし) 隊が、訓練の円陣を作るとき、カブ隊長は、「パレード・サークル作れ」という号令をかけます。すると、カブたちは、両手をひろげて左隣と右隣のカブと手を握りあって、引っ張りながら開いて、大きな円陣になるのです。 この円陣は、グランド・ホウルとか、ジャングル・ダンスとか、ラリーをするときに作るのであります。 ジャングルのあつまり (この題目も英本にはない) 君たちが、何をしているとさでも「パック、パック、パック」という声を耳にしたならば、すぐに「パック!」と、一声返事をし、駆け足で、急いでカブ隊長を中心にした円陣を作るのです。 もし、隊長が、一声だけ「パック!」と、叫ぶならば、それは、「静かにせよ!」ということで、みんなは今していることをやめて、次の言葉を待つのであります。 この「パック」という号令をかける者は、オールド・ウルフに限ります。そのほかの者には許されません。組長は、組の者と共に、その組の色の名を唱えてよいです。 気をつけ 「気をつけ」の号令がかかったら、カブたちは、兵士のようにまっすぐ立ちます。カカトをそろえ、両手は、わさばらの両側に下げる。胸は、前の方にはり出し、頭はあげる。そして両眼は、まっすぐ前の方を見る。脇見をしてはいけないのです。 「休め」の号令がかかったときは、両足をひらき、両手は背中のうしろで組み合わせ、できるだけ楽な姿勢で、あたりを眺め回してよいのです。 >>>>目次に戻る↑↑ ●グランド・ホウル(Grand Howl)(大咆哮) オオカミたらは、会譲岩のぐるりに円陣になって座るのです。年寄りのオオカミのアケイラが、これはパックの頭ですが、それが、岩のところの自分の場所につくと、みんなは、頭を上の方にそらして、アケイラを、むかえる挨拶のため、大さな声で、吠えるのです。 君たちの、年寄りオオカミのアケイラ(カブ隊長または、ほかの指導者)が、集会にやってきますと、君たちは、若いオオカミがするように、円陣になってしゃがんで、敬礼のためウルフ・カブのグランド・ホウルをします。 そこで君たちは、円陣を作ります。(急いで。ウルフ・カブは、決して、のろのろ歩きません。駆けてします。) つぎに、カカトの上に、しゃがみます。2本の前足(人間のばあい両手)は、両足のあいだの地面につけ、両ひざは、このように左右にひらきます。 次に、オールド・ウルフが、やってきますと、若いウルフたちは、首をあげて、吠えます。これは、怒って吠えるのではなくて、歓迎の意味と、いま一つ、その言いつけに従う心を、示したものです。 パックのコール(叫び声)は、世界中どこでも「ウィル・ドゥー・アワ・ベスト」(We'll do our best)です。ですから、カブ隊長が、円陣の中に入ってきますと、君たちは、あごを出して、声を揃えて、吠えるのです・・・・一言ずつ、長く、引っ張ってほえる「アーケイーラー! ウィーイーイーイール、ドゥーウーウーウ、アーアーワーアーア ベスト」。終わりのベストは、するどく声高らかに、短く、叫びます。これを合唱するのです。それと同時に、両足で跳ねあがり、両手の指は、オオカミの2つの耳のように立てて、頭の両側に上げるのです。 以上が、そのやり方です。 さて、これは何を意味しますか?(右図) それはね、君たちが、両手を使って、ベストをつくすことを意味します。たいていの子供は、右手だけしか、使いませんが、君たちは、右手だけではないのです。君たちのベストは、ふつうの少年のベストの2人分のベストです。「ドウー・ユア・ベスト」は、カブのモットーです。 次に、合唱をリードするカブが「ディッブ・ディッブ・ディッブ・ディッブ」(dyb−dyb−dyb−dyb)と叫ぶ間中、みんなは、あげた両手を、そのままにしています。(dybとは、Doyourbestの意味) その4番目のディッブで、全員はスマートに、左手をおろします。すると、右手は、敬礼になる。2本指を立ててはいますが、指は、ここで開かなければ、敬礼になりません。(あとの敬礼のところを、ごらんなさい) 次に「ウィイイル・ダッブ・ダッブ・ダッブ・ダッブ」と、叫びます。(we'll do our bestの意味)。 4番目のダッブで、全員、右手をおろす。そして、気をつけの姿勢いで、次の号令を、待ちます。 (訳者付記)カナダ本は、少々違う。次に訳出しておく・・・・。 その、やり方は、次のようにします。 年よりオオカミが、「パック」と、ひと声だけよぴかけます。カブたちは、この声で、静まります。それは、じっとして、次の、言葉を待つためです。 アケイラは、声高らかに、「パーーック、パック、パック」と3声叫びます。すると、カブたちは、「パック」と、ひと声、返事をし、走りながら、岩のまわりに、ロック・サークルをつくります。これは、円の中心につけた印を囲んで、小さい円(図の××印の円)になります。 次に、みんなは、両隣の者と、手をつないで2歩さがり、パレード・サークルを作ります。アケイラは、グランド・ホウルをリードする組長の方をむいて、ちょっと、うなずき、合図をします。すると、その組長は、自分の両手を頭上にあげ、それから、まっすぐ下におろします。 カブたちは、この組長の合図に従って、しゃがんだ姿勢をとります。・・・・それは、つま先で立ち、両方のひざは、広くひらき、両手の、人差し指と、中指は、伸ばしてくっつけて、地面につけます。両方の肩は、後ろの方に寄せ、あごは上げ、そして、みんな一緒に、吠えるのです。・・・・一語ずつ、遠吠えします。 「アー、ケイ、ラー」(AH−KAY−LA)(これは、3つに切りますが、どれも、同じ強さで、吠えるのです。)「ウーイーイール、ドウーウーウーウーウ、アーワーアーアーベスト」(W−e−e−ll do−o−o−o−o o−u−ur BEST) ベストは、鋭く、声をはりあげて、短く、一度にいいます。(訳書注、べにカをいれること) これと同時に、飛びあがります。(ジャンプする)。そして、気をつけの姿勢になりますが、左右両手の指は、オオカミの2つの耳のように、かおの、両がわに上むきに立てます。 このあげた両手は、リードするカブが、ゆっくりと号令みたいな調子で高い声を出して、「ディッブ、ディッブ、ディッブ、ディッブ」(Dyb、Dyb、Dyb、Dyb)と、4回叫ぶ間中、そのまま、上げているのです。(この意味は、Do Your Best 君たち、一生懸命がんばれ) ディッブが4回すむと、アケイラは、みんなに向かって、敬礼します。みんなは、左手をスマートに、脇腹に沿って下におろし、右手だけは上げたまま、2本指の敬礼とします。しかし、このとき、敬礼の言葉として、 「ウィーイーイール」(We−e−e−l)と、きいきい声で吠えてから 「ダッブ、ダッブ、ダッブ、ダッブ」(Dob、Dob、Dob、Dob)と、吠えます。(訳書注、カブ全員の合唱の形になる。前のDyb Dybの方は、当番組長の独唱です。こんどの意味は「ぼくらは、自分の全力をつくして、しっかりやります」) この、ダッブの4回目と同時に、みんなは右手をスマートにおろすのです。けれども、まだ「気をつけ」のままでいます。 自分の隊のデンの近くで、ほかの団が集会をしているような場合、この、グランド・ホウルは、地区別に静かに、小さい声でする必要がありますね。 、 さあ、もう一度、しゃがんで、年上オオカミに、どれくらい、グランド・ホウルがよく出来るか、見てもらいましょう。 >>>>目次に戻る↑↑ ●シェアーカンとマウグリイのゲーム 父オオカミと、母オオカミ、それに、子供のオオカミとで1本の糸のように、後ろへ後ろへつながります。一番小さい物が、マウグリイとなって、最後となる。みんな、前の人の腰をつかんで、つながるのです。 そこへ、トラのシェアーカンが、やってさます。そして、マウグワイを捕らえようとします。けれども、捕らえようとするたぴに、父オオカミは、自分のからだを、その方へ向けて、邪魔します。一列につながっているオオカミたちは、みんな、マウグリイを、安全に守ろうとして、体を互いにくっつけ合うのです。 マウグリイは、一本のネッカチーフを、しっぽのようにジャ−ジイの下からぶらさげること。 もし、3分間のうちに、シェアーカンが、このしっぽを、取ることができたら、彼の勝ち、それができなかったらオオカミどもの勝ちです。(訳書注、日本の、子とろうのゲームに同じ) (訳者付記)  ̄ グランド・ホウルを日本では「大咆哮」または「大咆吼」と訳したことがある。日本の実修所の開祖故佐野常羽先生が大正15年、(1926年)ギルウエル・パークで、カブコースを修了きれ、翌昭和2年、最初のカブ・コースを日本で開かれた時、原型のまま、即ち「パック、パック、パック、パック」でこれを始められた。しかし、あとは日本語で「アーケーラ、みんな、しっかり、やります」と言った。そしてdybのところを「しっかり、やれ、やれ」としdobのころを「しっかり、やります」と唱えた。現在、日本は、「輪になろう!」ではじめ「カブ・コールというものを作って、グランド・ホウルに替え、日本流に行なっている。 >>>>目次に戻る↑↑
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●ウルフ・カブ ボーイスカウトに入隊するには、まだ年が足らない若いスカウトのことを「ウルフ・カブ」と名づけます。なぜかというと、ウルフ・カブとは、若いオオカミのことです。そして、スカウトのことをオオカミとよぶので、ウルフ・カブといえば、それは、若いスカウトということになるのです。 アメリカの、西部の大平原にすんでいる、レッド・インデイアンたちは、スカウトの民なのです。その種族の人たちの1人1人はみんな、りっぱなスカウトです。もし、そうでなかったら、だれも、インデイアンのことなんか考えないはずです。 ですから、若い勇士の間では、だれが1番最高のスカウトになるかという、激しい競争をします。そして、最高点をとった若者は「オオカミ」(ウルフ)という名まえをもらったものです。 その名前には、「灰色オオカミ」とか「黒オオカミ」とか「赤オオカミ」だの「やせオオカミ」など、色々の名がつけられたものですが、「オオカミ」といえば、みな名誉のタイトル(称号)であって、りっぱなスカウトであることを意味するのでありました。 もし君たちが、世界旅行をして、南アフリカに行くならば、そこには、かわった人間がすんでいます。(それは、レッド・インデイアンとはちがう、黒い蛮人なのです。)しかし、かれらもまた、良いスカウトであります。そして、ここでも最高のスカウトのことを「オオカミ」とよんでいるのです。 ウルフ・カブはボーイスカウトをみならい、ボーイスカウトはローバースカウトや先輩のスカウトまたはパイオニアをみならう みなさんの知っているように、スカウトとは、勇ましい、力の強い人で、自分の務めを果たすためには、危険な死をも、よろこんで、おそれない人です。そして、昼間であろうと、夜であろうと、知らない土地で自分の行く道をみつけだす方法を知っています。自分の世話は自分ですることができる。火をこしらえて自分の食べ物を料理することもできます。動物や、人間のつけていった足あとを見つけて追跡することもできる。これは、目で見なくてもできるのです。自分のことだけでなく、女の人たちや、小さい子供たちの力になってあげ、親切にします。とりわけ、彼は、自分の頭になる人のいいつけに、死をかけて従います。 南アフリカで、一番すぐれている土人は、ズールー族で、この一族は、マタベルと、スワジスと、マサイに住んでいます。 そこにいる者は、みんな、良い戦士であり、スカウトであります。それは、子供のときから、スカウティングを学ぶからなのです。 この一族の少年は、大人たちが戦争に行くとき、戦士の、寝床と、食物を運ぶために、ついて行くのです。 しかし、子供は、戦はしません。ただ、遠くから、戦いを眺めているだけであります。そして、自分たちの順番がまわってきたとき、どのように、戦ったらよいか、見学(けんがく)するのです。この少年のなかで、1版スマートな、するどい子供、これが「ウルフ・カブ」であって、この土人の仲間の、未来のウルフ・スカウトなのであります。 >>>>目次に戻る↑↑ ● ズールー少年のテスト けれども、少年たちが、スカウトや戦士になることを許される前に、どうしても、受けねばならない、とてもむずかしい考査があるのです。かれらは、それにパスしなければなりません。 少年が、もう戦士になってもよい年頃になると、呼ばれて、まっぱだかにされます。そして、体中いっぱい、白く塗られるのです。自分の身を守るための1枚の楯と、けものや敵を倒すための1丁のアツセガイという武器または、小さい槍をわたされます。そして、「ブザシュ」(森のしげみ)の中に、追っぱらわれるのであります。 体いっぱいに塗られた白いものが、まだ、はげてしまわないうちに、誰かに、見つけられたならば、その少年は、狩りされて殺されるのです。その白いぬりものは1か月ぐらいは、はげません。洗っても、落ちないようになっています。 ですから、その少年は、一月ぐらいジャングルの中に隠れなければならないし、なんとかして、死なずに、生きていなければならないわけです。 少年は、シカの足あとを見つけて追跡(ついせき)せねばならないし、食物にしたり、着物にするために、獣を槍で、突き刺すのですが、槍が届くところまで、這って近づかねばなりません。料理するのにいる火は、二本の木の枝をこすりあわせて作らねばなりません。これはマッチをもっていないからです。かりに、マッチをもっていたとしても、それを入れるポケットがないでしょう。火を焚くにしても、煙をあまり高くあげないように気をくばらねばなりません。そうしないと、自分を、狩りしようとして、見張りをしている斤候(せっこう)の目につくからです。 彼は、また、長距離のランニングや、木のぼりや、川を泳いで渡ることが、できなければなりません。それは、自分の後を追跡してくる者から、逃げるためです。 また、勇気がなくてはいけません。自分を攻撃してくるライオンだの、そのほかの野獣に、立ち向かうので、怖がってはできない。 かれは、どんな植物が食べ物として良いのか、どれが毒草(どくそう)なのかをよく知っていなければなりません。そしてその、料理法も知っていなければならない。もちろん、お鍋なんかはないので、木の皮か、粘土でつくらねばなりません。住むためには、小屋を作らねばなりませんが、これは見えないようにせねばならない。 どこへ行くにも、自分の足あとをのこさないよう注意しなければなりません。足あとというものは、つけねらわれるからです。寝ているとき、いびきをかくならば、耳のするどい敵の手に、自分をわたすことになります。ですから、口をあけて寝ないう、そして、呼吸は鼻でするように、稽古します。 左から右に、アンファン(ねどこもちの少年)、若い戦士、それにリングコップこれはベテランです。これは、わたしたちの、ウルフカブとボーイスカウトとスカウターにあたるものです。 一月の間、こうして、暮らすのですが、暑い日があったり寒い日があったり、雨の降る日もあるのです。 白い、塗りものが、きれいに、はげてしまった時、彼は、村へ帰ることができるのです。そのときは、みんなから歓迎されます。そして、この種族の、1人前の若い戦士の、仲間に加わることを許されるのであります。 かれは、引き続いて、立派なはたらきをし、そのカによって「リング・コップ」という位に昇ります。これは、頭にリング(輪)をつけることを許されます。その後、尚も続けて昇ってゆくと、おしまいに、とうとう「オオカミ」という、名誉の、タイトルがもらえるのです。 けれども、白塗り時代をうまく切り抜けられなかった少年が、たくさんあったことも、考えられますね。ある物は野獣に殺され、また、あるものは、人間に殺されたであろう。飢え死にした者や寒さのために死んだ者、水に溺れて死んだ者も、数知れずあったでしょう。ですから成功した者は、皆、立派な者ばかりです。これは本当に、優れた者だということを、証明しているわけです。 ずいぶん、きつい考査ですね。そう思いませんか? >>>>目次に戻る↑↑ ●イギリスのスカウト わが国には、今から何百年もの昔、ナイト(騎士)と呼ばれるスカウトがありました。自分たちのつとめのためには、死を覚悟してはたらき、老人をいたわり、婦人や幼児のために尽くし、親切であることを、誓った人たちでありました。 かれらは、ちょうどズールー人のように、子供の頃から、自分たちの、つとめについて、まず学んだのです。そのつとめとは、騎士につかえるページ(=見習)となって、騎士が、鎧甲をつける手伝いをします。だんだん成長して青年になると、エスクイアー(=徒者)となり、馬に乗る稽古、武器の使い方を学び、ナイトの「おきて」を守ります。彼らが、立派に、つとめを果たしたことが認められ、進級を証明されると、ほんもののナイトになります。ズールー族の若い戦士と同じようですね。 これは、何百年も昔のことなのです。そこで、多くの少年たちは、今でも、ナイトがあるならば、ナイトになりたい。そしてナイトのように、自分のつとめを果たしたい。そのためには、喜んで、ページ(見習)にも、エスクイアー(徒者)にもなる、と言いだしました。 ところが、今の世の中にも、それが、ある方法で、残っているのです。 私が、現代のナイトとしてスカウトととして、尊敢しているのは、われわれのイギリス連邦帝国のまだ、拓けていない土地で、はたらいているフロンティアーズメン(辺地開布者)なのであります。また、バックウッズメン(森の中で働く人たち)とか、ハンターズ(狩りする人たち)とか、エキスプロラー(探険隊)とか、マップメーカー(地図を作る人)とか、兵士だの、飛行家、それに北極航海者ミッショナリーズ(宣教師)とよばれる人々・・・・こういう人たちは、未開の土地で、いろいろな、困難と危険に出会って、暮らしている。それは、自分たちの、つとめをはたすためで、そのつとめとは、困難にうち勝ち、自分で自分の体に気をつけ、勇敢で、親切で、正義のため、世界中に、イギリス人の名をあらわしている人々なのであります。・・・こんな人々こそ、今日、われわれ民族のスカウトであります・・・みな、「オオカミ」なのであります。 けれども、この人たちが、もしも、子供の時に、十分はたらき方を学んでいなかったら、これは、できる仕事ではありませんね。 どうすれば、スカウトになる方法が学べるか(この題目、英 本になし) それですから、イギリス連邦と帝国の少年たちは、まず、ボーイスカウトになることによって、スカウトになる方法を学ぶチャンスを持つのであります。ちょうど、その昔、エスクイアーたちが、ナイトになる方法を学んだのと、同じようにします。 昔の、ページたちが、エスクイアーになろうとして、準備したように、年少のスカウトである「ウルフ・カブ」たちは、ボーイスカウトになる、なりかたを学びます。そして、ボーイスカウトに入れる年齢がきたとき少年隊に入隊するのであります。 ウルフ・カブのつとめ(この題目も英本になし) 私は、この本の、後の方で、ウルフ・カブが、学ぶいろいろのつとめについて、書いてゆこうと思います。たとえば、ロープの結び方や、火の作り方、キャンプを愉快に楽しむ方法、自分のねぐらのたて方、はじめての土地で道を探す方法、仲間に信号を送る仕方、人々に善行する方法、ふいの出来事の場合の助け方、など。 これは君たちが、お金もちの家の子供なのか、それとも貧しい家の子供なのかというような区別をしません。また、君たちの国とか、町が、どこであろうとかまわないのです。私のいう通りに進んで行くならば、とても、やさしく学ぶことができるのです。 >>>>目次に戻る↑↑ ●会議岩と円陣 オオカミのパック(群)が、ジャングルの中で、集まる時、年寄りのオオカミのアケイラは、まん中の大きな岩の上に立ちます。そして、パックは、アケイラを中心とした円陣を作ってすわります。 ですから、ウルフ・カブのパックも、その岩を表すために、小石を円くおいたり、クイを打ったり、チョ−クでこのように円を描いたりするのです。 このロック・サークル(岩の円)は、さしわたし3歩ぐらいで、円の中心には、トーテム・ポールを立てます。 パレードサークル(集会用円陣)の作り方 (この題目も英本になし) 隊が、訓練の円陣を作るとき、カブ隊長は、「パレード・サークル作れ」という号令をかけます。すると、カブたちは、両手をひろげて左隣と右隣のカブと手を握りあって、引っ張りながら開いて、大きな円陣になるのです。 この円陣は、グランド・ホウルとか、ジャングル・ダンスとか、ラリーをするときに作るのであります。 ジャングルのあつまり (この題目も英本にはない) 君たちが、何をしているとさでも「パック、パック、パック」という声を耳にしたならば、すぐに「パック!」と、一声返事をし、駆け足で、急いでカブ隊長を中心にした円陣を作るのです。 もし、隊長が、一声だけ「パック!」と、叫ぶならば、それは、「静かにせよ!」ということで、みんなは今していることをやめて、次の言葉を待つのであります。 この「パック」という号令をかける者は、オールド・ウルフに限ります。そのほかの者には許されません。組長は、組の者と共に、その組の色の名を唱えてよいです。 気をつけ 「気をつけ」の号令がかかったら、カブたちは、兵士のようにまっすぐ立ちます。カカトをそろえ、両手は、わさばらの両側に下げる。胸は、前の方にはり出し、頭はあげる。そして両眼は、まっすぐ前の方を見る。脇見をしてはいけないのです。 「休め」の号令がかかったときは、両足をひらき、両手は背中のうしろで組み合わせ、できるだけ楽な姿勢で、あたりを眺め回してよいのです。 >>>>目次に戻る↑↑ ●グランド・ホウル(Grand Howl)(大咆哮) オオカミたらは、会譲岩のぐるりに円陣になって座るのです。年寄りのオオカミのアケイラが、これはパックの頭ですが、それが、岩のところの自分の場所につくと、みんなは、頭を上の方にそらして、アケイラを、むかえる挨拶のため、大さな声で、吠えるのです。 君たちの、年寄りオオカミのアケイラ(カブ隊長または、ほかの指導者)が、集会にやってきますと、君たちは、若いオオカミがするように、円陣になってしゃがんで、敬礼のためウルフ・カブのグランド・ホウルをします。 そこで君たちは、円陣を作ります。(急いで。ウルフ・カブは、決して、のろのろ歩きません。駆けてします。) つぎに、カカトの上に、しゃがみます。2本の前足(人間のばあい両手)は、両足のあいだの地面につけ、両ひざは、このように左右にひらきます。 次に、オールド・ウルフが、やってきますと、若いウルフたちは、首をあげて、吠えます。これは、怒って吠えるのではなくて、歓迎の意味と、いま一つ、その言いつけに従う心を、示したものです。 パックのコール(叫び声)は、世界中どこでも「ウィル・ドゥー・アワ・ベスト」(We'll do our best)です。ですから、カブ隊長が、円陣の中に入ってきますと、君たちは、あごを出して、声を揃えて、吠えるのです・・・・一言ずつ、長く、引っ張ってほえる「アーケイーラー! ウィーイーイーイール、ドゥーウーウーウ、アーアーワーアーア ベスト」。終わりのベストは、するどく声高らかに、短く、叫びます。これを合唱するのです。それと同時に、両足で跳ねあがり、両手の指は、オオカミの2つの耳のように立てて、頭の両側に上げるのです。 以上が、そのやり方です。 さて、これは何を意味しますか?(右図) それはね、君たちが、両手を使って、ベストをつくすことを意味します。たいていの子供は、右手だけしか、使いませんが、君たちは、右手だけではないのです。君たちのベストは、ふつうの少年のベストの2人分のベストです。「ドウー・ユア・ベスト」は、カブのモットーです。 次に、合唱をリードするカブが「ディッブ・ディッブ・ディッブ・ディッブ」(dyb−dyb−dyb−dyb)と叫ぶ間中、みんなは、あげた両手を、そのままにしています。(dybとは、Doyourbestの意味) その4番目のディッブで、全員はスマートに、左手をおろします。すると、右手は、敬礼になる。2本指を立ててはいますが、指は、ここで開かなければ、敬礼になりません。(あとの敬礼のところを、ごらんなさい) 次に「ウィイイル・ダッブ・ダッブ・ダッブ・ダッブ」と、叫びます。(we'll do our bestの意味)。 4番目のダッブで、全員、右手をおろす。そして、気をつけの姿勢いで、次の号令を、待ちます。 (訳者付記)カナダ本は、少々違う。次に訳出しておく・・・・。 その、やり方は、次のようにします。 年よりオオカミが、「パック」と、ひと声だけよぴかけます。カブたちは、この声で、静まります。それは、じっとして、次の、言葉を待つためです。 アケイラは、声高らかに、「パーーック、パック、パック」と3声叫びます。すると、カブたちは、「パック」と、ひと声、返事をし、走りながら、岩のまわりに、ロック・サークルをつくります。これは、円の中心につけた印を囲んで、小さい円(図の××印の円)になります。 次に、みんなは、両隣の者と、手をつないで2歩さがり、パレード・サークルを作ります。アケイラは、グランド・ホウルをリードする組長の方をむいて、ちょっと、うなずき、合図をします。すると、その組長は、自分の両手を頭上にあげ、それから、まっすぐ下におろします。 カブたちは、この組長の合図に従って、しゃがんだ姿勢をとります。・・・・それは、つま先で立ち、両方のひざは、広くひらき、両手の、人差し指と、中指は、伸ばしてくっつけて、地面につけます。両方の肩は、後ろの方に寄せ、あごは上げ、そして、みんな一緒に、吠えるのです。・・・・一語ずつ、遠吠えします。 「アー、ケイ、ラー」(AH−KAY−LA)(これは、3つに切りますが、どれも、同じ強さで、吠えるのです。)「ウーイーイール、ドウーウーウーウーウ、アーワーアーアーベスト」(W−e−e−ll do−o−o−o−o o−u−ur BEST) ベストは、鋭く、声をはりあげて、短く、一度にいいます。(訳書注、べにカをいれること) これと同時に、飛びあがります。(ジャンプする)。そして、気をつけの姿勢になりますが、左右両手の指は、オオカミの2つの耳のように、かおの、両がわに上むきに立てます。 このあげた両手は、リードするカブが、ゆっくりと号令みたいな調子で高い声を出して、「ディッブ、ディッブ、ディッブ、ディッブ」(Dyb、Dyb、Dyb、Dyb)と、4回叫ぶ間中、そのまま、上げているのです。(この意味は、Do Your Best 君たち、一生懸命がんばれ) ディッブが4回すむと、アケイラは、みんなに向かって、敬礼します。みんなは、左手をスマートに、脇腹に沿って下におろし、右手だけは上げたまま、2本指の敬礼とします。しかし、このとき、敬礼の言葉として、 「ウィーイーイール」(We−e−e−l)と、きいきい声で吠えてから 「ダッブ、ダッブ、ダッブ、ダッブ」(Dob、Dob、Dob、Dob)と、吠えます。(訳書注、カブ全員の合唱の形になる。前のDyb Dybの方は、当番組長の独唱です。こんどの意味は「ぼくらは、自分の全力をつくして、しっかりやります」) この、ダッブの4回目と同時に、みんなは右手をスマートにおろすのです。けれども、まだ「気をつけ」のままでいます。 自分の隊のデンの近くで、ほかの団が集会をしているような場合、この、グランド・ホウルは、地区別に静かに、小さい声でする必要がありますね。 、 さあ、もう一度、しゃがんで、年上オオカミに、どれくらい、グランド・ホウルがよく出来るか、見てもらいましょう。 >>>>目次に戻る↑↑ ●シェアーカンとマウグリイのゲーム 父オオカミと、母オオカミ、それに、子供のオオカミとで1本の糸のように、後ろへ後ろへつながります。一番小さい物が、マウグリイとなって、最後となる。みんな、前の人の腰をつかんで、つながるのです。 そこへ、トラのシェアーカンが、やってさます。そして、マウグワイを捕らえようとします。けれども、捕らえようとするたぴに、父オオカミは、自分のからだを、その方へ向けて、邪魔します。一列につながっているオオカミたちは、みんな、マウグリイを、安全に守ろうとして、体を互いにくっつけ合うのです。 マウグリイは、一本のネッカチーフを、しっぽのようにジャ−ジイの下からぶらさげること。 もし、3分間のうちに、シェアーカンが、このしっぽを、取ることができたら、彼の勝ち、それができなかったらオオカミどもの勝ちです。(訳書注、日本の、子とろうのゲームに同じ) (訳者付記)  ̄ グランド・ホウルを日本では「大咆哮」または「大咆吼」と訳したことがある。日本の実修所の開祖故佐野常羽先生が大正15年、(1926年)ギルウエル・パークで、カブコースを修了きれ、翌昭和2年、最初のカブ・コースを日本で開かれた時、原型のまま、即ち「パック、パック、パック、パック」でこれを始められた。しかし、あとは日本語で「アーケーラ、みんな、しっかり、やります」と言った。そしてdybのところを「しっかり、やれ、やれ」としdobのころを「しっかり、やります」と唱えた。現在、日本は、「輪になろう!」ではじめ「カブ・コールというものを作って、グランド・ホウルに替え、日本流に行なっている。 >>>>目次に戻る↑↑
● ズールー少年のテスト けれども、少年たちが、スカウトや戦士になることを許される前に、どうしても、受けねばならない、とてもむずかしい考査があるのです。かれらは、それにパスしなければなりません。 少年が、もう戦士になってもよい年頃になると、呼ばれて、まっぱだかにされます。そして、体中いっぱい、白く塗られるのです。自分の身を守るための1枚の楯と、けものや敵を倒すための1丁のアツセガイという武器または、小さい槍をわたされます。そして、「ブザシュ」(森のしげみ)の中に、追っぱらわれるのであります。 体いっぱいに塗られた白いものが、まだ、はげてしまわないうちに、誰かに、見つけられたならば、その少年は、狩りされて殺されるのです。その白いぬりものは1か月ぐらいは、はげません。洗っても、落ちないようになっています。 ですから、その少年は、一月ぐらいジャングルの中に隠れなければならないし、なんとかして、死なずに、生きていなければならないわけです。 少年は、シカの足あとを見つけて追跡(ついせき)せねばならないし、食物にしたり、着物にするために、獣を槍で、突き刺すのですが、槍が届くところまで、這って近づかねばなりません。料理するのにいる火は、二本の木の枝をこすりあわせて作らねばなりません。これはマッチをもっていないからです。かりに、マッチをもっていたとしても、それを入れるポケットがないでしょう。火を焚くにしても、煙をあまり高くあげないように気をくばらねばなりません。そうしないと、自分を、狩りしようとして、見張りをしている斤候(せっこう)の目につくからです。 彼は、また、長距離のランニングや、木のぼりや、川を泳いで渡ることが、できなければなりません。それは、自分の後を追跡してくる者から、逃げるためです。 また、勇気がなくてはいけません。自分を攻撃してくるライオンだの、そのほかの野獣に、立ち向かうので、怖がってはできない。 かれは、どんな植物が食べ物として良いのか、どれが毒草(どくそう)なのかをよく知っていなければなりません。そしてその、料理法も知っていなければならない。もちろん、お鍋なんかはないので、木の皮か、粘土でつくらねばなりません。住むためには、小屋を作らねばなりませんが、これは見えないようにせねばならない。 どこへ行くにも、自分の足あとをのこさないよう注意しなければなりません。足あとというものは、つけねらわれるからです。寝ているとき、いびきをかくならば、耳のするどい敵の手に、自分をわたすことになります。ですから、口をあけて寝ないう、そして、呼吸は鼻でするように、稽古します。 左から右に、アンファン(ねどこもちの少年)、若い戦士、それにリングコップこれはベテランです。これは、わたしたちの、ウルフカブとボーイスカウトとスカウターにあたるものです。 一月の間、こうして、暮らすのですが、暑い日があったり寒い日があったり、雨の降る日もあるのです。 白い、塗りものが、きれいに、はげてしまった時、彼は、村へ帰ることができるのです。そのときは、みんなから歓迎されます。そして、この種族の、1人前の若い戦士の、仲間に加わることを許されるのであります。 かれは、引き続いて、立派なはたらきをし、そのカによって「リング・コップ」という位に昇ります。これは、頭にリング(輪)をつけることを許されます。その後、尚も続けて昇ってゆくと、おしまいに、とうとう「オオカミ」という、名誉の、タイトルがもらえるのです。 けれども、白塗り時代をうまく切り抜けられなかった少年が、たくさんあったことも、考えられますね。ある物は野獣に殺され、また、あるものは、人間に殺されたであろう。飢え死にした者や寒さのために死んだ者、水に溺れて死んだ者も、数知れずあったでしょう。ですから成功した者は、皆、立派な者ばかりです。これは本当に、優れた者だということを、証明しているわけです。 ずいぶん、きつい考査ですね。そう思いませんか? >>>>目次に戻る↑↑ ●イギリスのスカウト わが国には、今から何百年もの昔、ナイト(騎士)と呼ばれるスカウトがありました。自分たちのつとめのためには、死を覚悟してはたらき、老人をいたわり、婦人や幼児のために尽くし、親切であることを、誓った人たちでありました。 かれらは、ちょうどズールー人のように、子供の頃から、自分たちの、つとめについて、まず学んだのです。そのつとめとは、騎士につかえるページ(=見習)となって、騎士が、鎧甲をつける手伝いをします。だんだん成長して青年になると、エスクイアー(=徒者)となり、馬に乗る稽古、武器の使い方を学び、ナイトの「おきて」を守ります。彼らが、立派に、つとめを果たしたことが認められ、進級を証明されると、ほんもののナイトになります。ズールー族の若い戦士と同じようですね。 これは、何百年も昔のことなのです。そこで、多くの少年たちは、今でも、ナイトがあるならば、ナイトになりたい。そしてナイトのように、自分のつとめを果たしたい。そのためには、喜んで、ページ(見習)にも、エスクイアー(徒者)にもなる、と言いだしました。 ところが、今の世の中にも、それが、ある方法で、残っているのです。 私が、現代のナイトとしてスカウトととして、尊敢しているのは、われわれのイギリス連邦帝国のまだ、拓けていない土地で、はたらいているフロンティアーズメン(辺地開布者)なのであります。また、バックウッズメン(森の中で働く人たち)とか、ハンターズ(狩りする人たち)とか、エキスプロラー(探険隊)とか、マップメーカー(地図を作る人)とか、兵士だの、飛行家、それに北極航海者ミッショナリーズ(宣教師)とよばれる人々・・・・こういう人たちは、未開の土地で、いろいろな、困難と危険に出会って、暮らしている。それは、自分たちの、つとめをはたすためで、そのつとめとは、困難にうち勝ち、自分で自分の体に気をつけ、勇敢で、親切で、正義のため、世界中に、イギリス人の名をあらわしている人々なのであります。・・・こんな人々こそ、今日、われわれ民族のスカウトであります・・・みな、「オオカミ」なのであります。 けれども、この人たちが、もしも、子供の時に、十分はたらき方を学んでいなかったら、これは、できる仕事ではありませんね。 どうすれば、スカウトになる方法が学べるか(この題目、英 本になし) それですから、イギリス連邦と帝国の少年たちは、まず、ボーイスカウトになることによって、スカウトになる方法を学ぶチャンスを持つのであります。ちょうど、その昔、エスクイアーたちが、ナイトになる方法を学んだのと、同じようにします。 昔の、ページたちが、エスクイアーになろうとして、準備したように、年少のスカウトである「ウルフ・カブ」たちは、ボーイスカウトになる、なりかたを学びます。そして、ボーイスカウトに入れる年齢がきたとき少年隊に入隊するのであります。 ウルフ・カブのつとめ(この題目も英本になし) 私は、この本の、後の方で、ウルフ・カブが、学ぶいろいろのつとめについて、書いてゆこうと思います。たとえば、ロープの結び方や、火の作り方、キャンプを愉快に楽しむ方法、自分のねぐらのたて方、はじめての土地で道を探す方法、仲間に信号を送る仕方、人々に善行する方法、ふいの出来事の場合の助け方、など。 これは君たちが、お金もちの家の子供なのか、それとも貧しい家の子供なのかというような区別をしません。また、君たちの国とか、町が、どこであろうとかまわないのです。私のいう通りに進んで行くならば、とても、やさしく学ぶことができるのです。 >>>>目次に戻る↑↑ ●会議岩と円陣 オオカミのパック(群)が、ジャングルの中で、集まる時、年寄りのオオカミのアケイラは、まん中の大きな岩の上に立ちます。そして、パックは、アケイラを中心とした円陣を作ってすわります。 ですから、ウルフ・カブのパックも、その岩を表すために、小石を円くおいたり、クイを打ったり、チョ−クでこのように円を描いたりするのです。 このロック・サークル(岩の円)は、さしわたし3歩ぐらいで、円の中心には、トーテム・ポールを立てます。 パレードサークル(集会用円陣)の作り方 (この題目も英本になし) 隊が、訓練の円陣を作るとき、カブ隊長は、「パレード・サークル作れ」という号令をかけます。すると、カブたちは、両手をひろげて左隣と右隣のカブと手を握りあって、引っ張りながら開いて、大きな円陣になるのです。 この円陣は、グランド・ホウルとか、ジャングル・ダンスとか、ラリーをするときに作るのであります。 ジャングルのあつまり (この題目も英本にはない) 君たちが、何をしているとさでも「パック、パック、パック」という声を耳にしたならば、すぐに「パック!」と、一声返事をし、駆け足で、急いでカブ隊長を中心にした円陣を作るのです。 もし、隊長が、一声だけ「パック!」と、叫ぶならば、それは、「静かにせよ!」ということで、みんなは今していることをやめて、次の言葉を待つのであります。 この「パック」という号令をかける者は、オールド・ウルフに限ります。そのほかの者には許されません。組長は、組の者と共に、その組の色の名を唱えてよいです。 気をつけ 「気をつけ」の号令がかかったら、カブたちは、兵士のようにまっすぐ立ちます。カカトをそろえ、両手は、わさばらの両側に下げる。胸は、前の方にはり出し、頭はあげる。そして両眼は、まっすぐ前の方を見る。脇見をしてはいけないのです。 「休め」の号令がかかったときは、両足をひらき、両手は背中のうしろで組み合わせ、できるだけ楽な姿勢で、あたりを眺め回してよいのです。 >>>>目次に戻る↑↑ ●グランド・ホウル(Grand Howl)(大咆哮) オオカミたらは、会譲岩のぐるりに円陣になって座るのです。年寄りのオオカミのアケイラが、これはパックの頭ですが、それが、岩のところの自分の場所につくと、みんなは、頭を上の方にそらして、アケイラを、むかえる挨拶のため、大さな声で、吠えるのです。 君たちの、年寄りオオカミのアケイラ(カブ隊長または、ほかの指導者)が、集会にやってきますと、君たちは、若いオオカミがするように、円陣になってしゃがんで、敬礼のためウルフ・カブのグランド・ホウルをします。 そこで君たちは、円陣を作ります。(急いで。ウルフ・カブは、決して、のろのろ歩きません。駆けてします。) つぎに、カカトの上に、しゃがみます。2本の前足(人間のばあい両手)は、両足のあいだの地面につけ、両ひざは、このように左右にひらきます。 次に、オールド・ウルフが、やってきますと、若いウルフたちは、首をあげて、吠えます。これは、怒って吠えるのではなくて、歓迎の意味と、いま一つ、その言いつけに従う心を、示したものです。 パックのコール(叫び声)は、世界中どこでも「ウィル・ドゥー・アワ・ベスト」(We'll do our best)です。ですから、カブ隊長が、円陣の中に入ってきますと、君たちは、あごを出して、声を揃えて、吠えるのです・・・・一言ずつ、長く、引っ張ってほえる「アーケイーラー! ウィーイーイーイール、ドゥーウーウーウ、アーアーワーアーア ベスト」。終わりのベストは、するどく声高らかに、短く、叫びます。これを合唱するのです。それと同時に、両足で跳ねあがり、両手の指は、オオカミの2つの耳のように立てて、頭の両側に上げるのです。 以上が、そのやり方です。 さて、これは何を意味しますか?(右図) それはね、君たちが、両手を使って、ベストをつくすことを意味します。たいていの子供は、右手だけしか、使いませんが、君たちは、右手だけではないのです。君たちのベストは、ふつうの少年のベストの2人分のベストです。「ドウー・ユア・ベスト」は、カブのモットーです。 次に、合唱をリードするカブが「ディッブ・ディッブ・ディッブ・ディッブ」(dyb−dyb−dyb−dyb)と叫ぶ間中、みんなは、あげた両手を、そのままにしています。(dybとは、Doyourbestの意味) その4番目のディッブで、全員はスマートに、左手をおろします。すると、右手は、敬礼になる。2本指を立ててはいますが、指は、ここで開かなければ、敬礼になりません。(あとの敬礼のところを、ごらんなさい) 次に「ウィイイル・ダッブ・ダッブ・ダッブ・ダッブ」と、叫びます。(we'll do our bestの意味)。 4番目のダッブで、全員、右手をおろす。そして、気をつけの姿勢いで、次の号令を、待ちます。 (訳者付記)カナダ本は、少々違う。次に訳出しておく・・・・。 その、やり方は、次のようにします。 年よりオオカミが、「パック」と、ひと声だけよぴかけます。カブたちは、この声で、静まります。それは、じっとして、次の、言葉を待つためです。 アケイラは、声高らかに、「パーーック、パック、パック」と3声叫びます。すると、カブたちは、「パック」と、ひと声、返事をし、走りながら、岩のまわりに、ロック・サークルをつくります。これは、円の中心につけた印を囲んで、小さい円(図の××印の円)になります。 次に、みんなは、両隣の者と、手をつないで2歩さがり、パレード・サークルを作ります。アケイラは、グランド・ホウルをリードする組長の方をむいて、ちょっと、うなずき、合図をします。すると、その組長は、自分の両手を頭上にあげ、それから、まっすぐ下におろします。 カブたちは、この組長の合図に従って、しゃがんだ姿勢をとります。・・・・それは、つま先で立ち、両方のひざは、広くひらき、両手の、人差し指と、中指は、伸ばしてくっつけて、地面につけます。両方の肩は、後ろの方に寄せ、あごは上げ、そして、みんな一緒に、吠えるのです。・・・・一語ずつ、遠吠えします。 「アー、ケイ、ラー」(AH−KAY−LA)(これは、3つに切りますが、どれも、同じ強さで、吠えるのです。)「ウーイーイール、ドウーウーウーウーウ、アーワーアーアーベスト」(W−e−e−ll do−o−o−o−o o−u−ur BEST) ベストは、鋭く、声をはりあげて、短く、一度にいいます。(訳書注、べにカをいれること) これと同時に、飛びあがります。(ジャンプする)。そして、気をつけの姿勢になりますが、左右両手の指は、オオカミの2つの耳のように、かおの、両がわに上むきに立てます。 このあげた両手は、リードするカブが、ゆっくりと号令みたいな調子で高い声を出して、「ディッブ、ディッブ、ディッブ、ディッブ」(Dyb、Dyb、Dyb、Dyb)と、4回叫ぶ間中、そのまま、上げているのです。(この意味は、Do Your Best 君たち、一生懸命がんばれ) ディッブが4回すむと、アケイラは、みんなに向かって、敬礼します。みんなは、左手をスマートに、脇腹に沿って下におろし、右手だけは上げたまま、2本指の敬礼とします。しかし、このとき、敬礼の言葉として、 「ウィーイーイール」(We−e−e−l)と、きいきい声で吠えてから 「ダッブ、ダッブ、ダッブ、ダッブ」(Dob、Dob、Dob、Dob)と、吠えます。(訳書注、カブ全員の合唱の形になる。前のDyb Dybの方は、当番組長の独唱です。こんどの意味は「ぼくらは、自分の全力をつくして、しっかりやります」) この、ダッブの4回目と同時に、みんなは右手をスマートにおろすのです。けれども、まだ「気をつけ」のままでいます。 自分の隊のデンの近くで、ほかの団が集会をしているような場合、この、グランド・ホウルは、地区別に静かに、小さい声でする必要がありますね。 、 さあ、もう一度、しゃがんで、年上オオカミに、どれくらい、グランド・ホウルがよく出来るか、見てもらいましょう。 >>>>目次に戻る↑↑ ●シェアーカンとマウグリイのゲーム 父オオカミと、母オオカミ、それに、子供のオオカミとで1本の糸のように、後ろへ後ろへつながります。一番小さい物が、マウグリイとなって、最後となる。みんな、前の人の腰をつかんで、つながるのです。 そこへ、トラのシェアーカンが、やってさます。そして、マウグワイを捕らえようとします。けれども、捕らえようとするたぴに、父オオカミは、自分のからだを、その方へ向けて、邪魔します。一列につながっているオオカミたちは、みんな、マウグリイを、安全に守ろうとして、体を互いにくっつけ合うのです。 マウグリイは、一本のネッカチーフを、しっぽのようにジャ−ジイの下からぶらさげること。 もし、3分間のうちに、シェアーカンが、このしっぽを、取ることができたら、彼の勝ち、それができなかったらオオカミどもの勝ちです。(訳書注、日本の、子とろうのゲームに同じ) (訳者付記)  ̄ グランド・ホウルを日本では「大咆哮」または「大咆吼」と訳したことがある。日本の実修所の開祖故佐野常羽先生が大正15年、(1926年)ギルウエル・パークで、カブコースを修了きれ、翌昭和2年、最初のカブ・コースを日本で開かれた時、原型のまま、即ち「パック、パック、パック、パック」でこれを始められた。しかし、あとは日本語で「アーケーラ、みんな、しっかり、やります」と言った。そしてdybのところを「しっかり、やれ、やれ」としdobのころを「しっかり、やります」と唱えた。現在、日本は、「輪になろう!」ではじめ「カブ・コールというものを作って、グランド・ホウルに替え、日本流に行なっている。 >>>>目次に戻る↑↑
●イギリスのスカウト わが国には、今から何百年もの昔、ナイト(騎士)と呼ばれるスカウトがありました。自分たちのつとめのためには、死を覚悟してはたらき、老人をいたわり、婦人や幼児のために尽くし、親切であることを、誓った人たちでありました。 かれらは、ちょうどズールー人のように、子供の頃から、自分たちの、つとめについて、まず学んだのです。そのつとめとは、騎士につかえるページ(=見習)となって、騎士が、鎧甲をつける手伝いをします。だんだん成長して青年になると、エスクイアー(=徒者)となり、馬に乗る稽古、武器の使い方を学び、ナイトの「おきて」を守ります。彼らが、立派に、つとめを果たしたことが認められ、進級を証明されると、ほんもののナイトになります。ズールー族の若い戦士と同じようですね。 これは、何百年も昔のことなのです。そこで、多くの少年たちは、今でも、ナイトがあるならば、ナイトになりたい。そしてナイトのように、自分のつとめを果たしたい。そのためには、喜んで、ページ(見習)にも、エスクイアー(徒者)にもなる、と言いだしました。 ところが、今の世の中にも、それが、ある方法で、残っているのです。 私が、現代のナイトとしてスカウトととして、尊敢しているのは、われわれのイギリス連邦帝国のまだ、拓けていない土地で、はたらいているフロンティアーズメン(辺地開布者)なのであります。また、バックウッズメン(森の中で働く人たち)とか、ハンターズ(狩りする人たち)とか、エキスプロラー(探険隊)とか、マップメーカー(地図を作る人)とか、兵士だの、飛行家、それに北極航海者ミッショナリーズ(宣教師)とよばれる人々・・・・こういう人たちは、未開の土地で、いろいろな、困難と危険に出会って、暮らしている。それは、自分たちの、つとめをはたすためで、そのつとめとは、困難にうち勝ち、自分で自分の体に気をつけ、勇敢で、親切で、正義のため、世界中に、イギリス人の名をあらわしている人々なのであります。・・・こんな人々こそ、今日、われわれ民族のスカウトであります・・・みな、「オオカミ」なのであります。 けれども、この人たちが、もしも、子供の時に、十分はたらき方を学んでいなかったら、これは、できる仕事ではありませんね。 どうすれば、スカウトになる方法が学べるか(この題目、英 本になし) それですから、イギリス連邦と帝国の少年たちは、まず、ボーイスカウトになることによって、スカウトになる方法を学ぶチャンスを持つのであります。ちょうど、その昔、エスクイアーたちが、ナイトになる方法を学んだのと、同じようにします。 昔の、ページたちが、エスクイアーになろうとして、準備したように、年少のスカウトである「ウルフ・カブ」たちは、ボーイスカウトになる、なりかたを学びます。そして、ボーイスカウトに入れる年齢がきたとき少年隊に入隊するのであります。 ウルフ・カブのつとめ(この題目も英本になし) 私は、この本の、後の方で、ウルフ・カブが、学ぶいろいろのつとめについて、書いてゆこうと思います。たとえば、ロープの結び方や、火の作り方、キャンプを愉快に楽しむ方法、自分のねぐらのたて方、はじめての土地で道を探す方法、仲間に信号を送る仕方、人々に善行する方法、ふいの出来事の場合の助け方、など。 これは君たちが、お金もちの家の子供なのか、それとも貧しい家の子供なのかというような区別をしません。また、君たちの国とか、町が、どこであろうとかまわないのです。私のいう通りに進んで行くならば、とても、やさしく学ぶことができるのです。 >>>>目次に戻る↑↑ ●会議岩と円陣 オオカミのパック(群)が、ジャングルの中で、集まる時、年寄りのオオカミのアケイラは、まん中の大きな岩の上に立ちます。そして、パックは、アケイラを中心とした円陣を作ってすわります。 ですから、ウルフ・カブのパックも、その岩を表すために、小石を円くおいたり、クイを打ったり、チョ−クでこのように円を描いたりするのです。 このロック・サークル(岩の円)は、さしわたし3歩ぐらいで、円の中心には、トーテム・ポールを立てます。 パレードサークル(集会用円陣)の作り方 (この題目も英本になし) 隊が、訓練の円陣を作るとき、カブ隊長は、「パレード・サークル作れ」という号令をかけます。すると、カブたちは、両手をひろげて左隣と右隣のカブと手を握りあって、引っ張りながら開いて、大きな円陣になるのです。 この円陣は、グランド・ホウルとか、ジャングル・ダンスとか、ラリーをするときに作るのであります。 ジャングルのあつまり (この題目も英本にはない) 君たちが、何をしているとさでも「パック、パック、パック」という声を耳にしたならば、すぐに「パック!」と、一声返事をし、駆け足で、急いでカブ隊長を中心にした円陣を作るのです。 もし、隊長が、一声だけ「パック!」と、叫ぶならば、それは、「静かにせよ!」ということで、みんなは今していることをやめて、次の言葉を待つのであります。 この「パック」という号令をかける者は、オールド・ウルフに限ります。そのほかの者には許されません。組長は、組の者と共に、その組の色の名を唱えてよいです。 気をつけ 「気をつけ」の号令がかかったら、カブたちは、兵士のようにまっすぐ立ちます。カカトをそろえ、両手は、わさばらの両側に下げる。胸は、前の方にはり出し、頭はあげる。そして両眼は、まっすぐ前の方を見る。脇見をしてはいけないのです。 「休め」の号令がかかったときは、両足をひらき、両手は背中のうしろで組み合わせ、できるだけ楽な姿勢で、あたりを眺め回してよいのです。 >>>>目次に戻る↑↑ ●グランド・ホウル(Grand Howl)(大咆哮) オオカミたらは、会譲岩のぐるりに円陣になって座るのです。年寄りのオオカミのアケイラが、これはパックの頭ですが、それが、岩のところの自分の場所につくと、みんなは、頭を上の方にそらして、アケイラを、むかえる挨拶のため、大さな声で、吠えるのです。 君たちの、年寄りオオカミのアケイラ(カブ隊長または、ほかの指導者)が、集会にやってきますと、君たちは、若いオオカミがするように、円陣になってしゃがんで、敬礼のためウルフ・カブのグランド・ホウルをします。 そこで君たちは、円陣を作ります。(急いで。ウルフ・カブは、決して、のろのろ歩きません。駆けてします。) つぎに、カカトの上に、しゃがみます。2本の前足(人間のばあい両手)は、両足のあいだの地面につけ、両ひざは、このように左右にひらきます。 次に、オールド・ウルフが、やってきますと、若いウルフたちは、首をあげて、吠えます。これは、怒って吠えるのではなくて、歓迎の意味と、いま一つ、その言いつけに従う心を、示したものです。 パックのコール(叫び声)は、世界中どこでも「ウィル・ドゥー・アワ・ベスト」(We'll do our best)です。ですから、カブ隊長が、円陣の中に入ってきますと、君たちは、あごを出して、声を揃えて、吠えるのです・・・・一言ずつ、長く、引っ張ってほえる「アーケイーラー! ウィーイーイーイール、ドゥーウーウーウ、アーアーワーアーア ベスト」。終わりのベストは、するどく声高らかに、短く、叫びます。これを合唱するのです。それと同時に、両足で跳ねあがり、両手の指は、オオカミの2つの耳のように立てて、頭の両側に上げるのです。 以上が、そのやり方です。 さて、これは何を意味しますか?(右図) それはね、君たちが、両手を使って、ベストをつくすことを意味します。たいていの子供は、右手だけしか、使いませんが、君たちは、右手だけではないのです。君たちのベストは、ふつうの少年のベストの2人分のベストです。「ドウー・ユア・ベスト」は、カブのモットーです。 次に、合唱をリードするカブが「ディッブ・ディッブ・ディッブ・ディッブ」(dyb−dyb−dyb−dyb)と叫ぶ間中、みんなは、あげた両手を、そのままにしています。(dybとは、Doyourbestの意味) その4番目のディッブで、全員はスマートに、左手をおろします。すると、右手は、敬礼になる。2本指を立ててはいますが、指は、ここで開かなければ、敬礼になりません。(あとの敬礼のところを、ごらんなさい) 次に「ウィイイル・ダッブ・ダッブ・ダッブ・ダッブ」と、叫びます。(we'll do our bestの意味)。 4番目のダッブで、全員、右手をおろす。そして、気をつけの姿勢いで、次の号令を、待ちます。 (訳者付記)カナダ本は、少々違う。次に訳出しておく・・・・。 その、やり方は、次のようにします。 年よりオオカミが、「パック」と、ひと声だけよぴかけます。カブたちは、この声で、静まります。それは、じっとして、次の、言葉を待つためです。 アケイラは、声高らかに、「パーーック、パック、パック」と3声叫びます。すると、カブたちは、「パック」と、ひと声、返事をし、走りながら、岩のまわりに、ロック・サークルをつくります。これは、円の中心につけた印を囲んで、小さい円(図の××印の円)になります。 次に、みんなは、両隣の者と、手をつないで2歩さがり、パレード・サークルを作ります。アケイラは、グランド・ホウルをリードする組長の方をむいて、ちょっと、うなずき、合図をします。すると、その組長は、自分の両手を頭上にあげ、それから、まっすぐ下におろします。 カブたちは、この組長の合図に従って、しゃがんだ姿勢をとります。・・・・それは、つま先で立ち、両方のひざは、広くひらき、両手の、人差し指と、中指は、伸ばしてくっつけて、地面につけます。両方の肩は、後ろの方に寄せ、あごは上げ、そして、みんな一緒に、吠えるのです。・・・・一語ずつ、遠吠えします。 「アー、ケイ、ラー」(AH−KAY−LA)(これは、3つに切りますが、どれも、同じ強さで、吠えるのです。)「ウーイーイール、ドウーウーウーウーウ、アーワーアーアーベスト」(W−e−e−ll do−o−o−o−o o−u−ur BEST) ベストは、鋭く、声をはりあげて、短く、一度にいいます。(訳書注、べにカをいれること) これと同時に、飛びあがります。(ジャンプする)。そして、気をつけの姿勢になりますが、左右両手の指は、オオカミの2つの耳のように、かおの、両がわに上むきに立てます。 このあげた両手は、リードするカブが、ゆっくりと号令みたいな調子で高い声を出して、「ディッブ、ディッブ、ディッブ、ディッブ」(Dyb、Dyb、Dyb、Dyb)と、4回叫ぶ間中、そのまま、上げているのです。(この意味は、Do Your Best 君たち、一生懸命がんばれ) ディッブが4回すむと、アケイラは、みんなに向かって、敬礼します。みんなは、左手をスマートに、脇腹に沿って下におろし、右手だけは上げたまま、2本指の敬礼とします。しかし、このとき、敬礼の言葉として、 「ウィーイーイール」(We−e−e−l)と、きいきい声で吠えてから 「ダッブ、ダッブ、ダッブ、ダッブ」(Dob、Dob、Dob、Dob)と、吠えます。(訳書注、カブ全員の合唱の形になる。前のDyb Dybの方は、当番組長の独唱です。こんどの意味は「ぼくらは、自分の全力をつくして、しっかりやります」) この、ダッブの4回目と同時に、みんなは右手をスマートにおろすのです。けれども、まだ「気をつけ」のままでいます。 自分の隊のデンの近くで、ほかの団が集会をしているような場合、この、グランド・ホウルは、地区別に静かに、小さい声でする必要がありますね。 、 さあ、もう一度、しゃがんで、年上オオカミに、どれくらい、グランド・ホウルがよく出来るか、見てもらいましょう。 >>>>目次に戻る↑↑ ●シェアーカンとマウグリイのゲーム 父オオカミと、母オオカミ、それに、子供のオオカミとで1本の糸のように、後ろへ後ろへつながります。一番小さい物が、マウグリイとなって、最後となる。みんな、前の人の腰をつかんで、つながるのです。 そこへ、トラのシェアーカンが、やってさます。そして、マウグワイを捕らえようとします。けれども、捕らえようとするたぴに、父オオカミは、自分のからだを、その方へ向けて、邪魔します。一列につながっているオオカミたちは、みんな、マウグリイを、安全に守ろうとして、体を互いにくっつけ合うのです。 マウグリイは、一本のネッカチーフを、しっぽのようにジャ−ジイの下からぶらさげること。 もし、3分間のうちに、シェアーカンが、このしっぽを、取ることができたら、彼の勝ち、それができなかったらオオカミどもの勝ちです。(訳書注、日本の、子とろうのゲームに同じ) (訳者付記)  ̄ グランド・ホウルを日本では「大咆哮」または「大咆吼」と訳したことがある。日本の実修所の開祖故佐野常羽先生が大正15年、(1926年)ギルウエル・パークで、カブコースを修了きれ、翌昭和2年、最初のカブ・コースを日本で開かれた時、原型のまま、即ち「パック、パック、パック、パック」でこれを始められた。しかし、あとは日本語で「アーケーラ、みんな、しっかり、やります」と言った。そしてdybのところを「しっかり、やれ、やれ」としdobのころを「しっかり、やります」と唱えた。現在、日本は、「輪になろう!」ではじめ「カブ・コールというものを作って、グランド・ホウルに替え、日本流に行なっている。 >>>>目次に戻る↑↑
●会議岩と円陣 オオカミのパック(群)が、ジャングルの中で、集まる時、年寄りのオオカミのアケイラは、まん中の大きな岩の上に立ちます。そして、パックは、アケイラを中心とした円陣を作ってすわります。 ですから、ウルフ・カブのパックも、その岩を表すために、小石を円くおいたり、クイを打ったり、チョ−クでこのように円を描いたりするのです。 このロック・サークル(岩の円)は、さしわたし3歩ぐらいで、円の中心には、トーテム・ポールを立てます。 パレードサークル(集会用円陣)の作り方 (この題目も英本になし) 隊が、訓練の円陣を作るとき、カブ隊長は、「パレード・サークル作れ」という号令をかけます。すると、カブたちは、両手をひろげて左隣と右隣のカブと手を握りあって、引っ張りながら開いて、大きな円陣になるのです。 この円陣は、グランド・ホウルとか、ジャングル・ダンスとか、ラリーをするときに作るのであります。 ジャングルのあつまり (この題目も英本にはない) 君たちが、何をしているとさでも「パック、パック、パック」という声を耳にしたならば、すぐに「パック!」と、一声返事をし、駆け足で、急いでカブ隊長を中心にした円陣を作るのです。 もし、隊長が、一声だけ「パック!」と、叫ぶならば、それは、「静かにせよ!」ということで、みんなは今していることをやめて、次の言葉を待つのであります。 この「パック」という号令をかける者は、オールド・ウルフに限ります。そのほかの者には許されません。組長は、組の者と共に、その組の色の名を唱えてよいです。 気をつけ 「気をつけ」の号令がかかったら、カブたちは、兵士のようにまっすぐ立ちます。カカトをそろえ、両手は、わさばらの両側に下げる。胸は、前の方にはり出し、頭はあげる。そして両眼は、まっすぐ前の方を見る。脇見をしてはいけないのです。 「休め」の号令がかかったときは、両足をひらき、両手は背中のうしろで組み合わせ、できるだけ楽な姿勢で、あたりを眺め回してよいのです。 >>>>目次に戻る↑↑ ●グランド・ホウル(Grand Howl)(大咆哮) オオカミたらは、会譲岩のぐるりに円陣になって座るのです。年寄りのオオカミのアケイラが、これはパックの頭ですが、それが、岩のところの自分の場所につくと、みんなは、頭を上の方にそらして、アケイラを、むかえる挨拶のため、大さな声で、吠えるのです。 君たちの、年寄りオオカミのアケイラ(カブ隊長または、ほかの指導者)が、集会にやってきますと、君たちは、若いオオカミがするように、円陣になってしゃがんで、敬礼のためウルフ・カブのグランド・ホウルをします。 そこで君たちは、円陣を作ります。(急いで。ウルフ・カブは、決して、のろのろ歩きません。駆けてします。) つぎに、カカトの上に、しゃがみます。2本の前足(人間のばあい両手)は、両足のあいだの地面につけ、両ひざは、このように左右にひらきます。 次に、オールド・ウルフが、やってきますと、若いウルフたちは、首をあげて、吠えます。これは、怒って吠えるのではなくて、歓迎の意味と、いま一つ、その言いつけに従う心を、示したものです。 パックのコール(叫び声)は、世界中どこでも「ウィル・ドゥー・アワ・ベスト」(We'll do our best)です。ですから、カブ隊長が、円陣の中に入ってきますと、君たちは、あごを出して、声を揃えて、吠えるのです・・・・一言ずつ、長く、引っ張ってほえる「アーケイーラー! ウィーイーイーイール、ドゥーウーウーウ、アーアーワーアーア ベスト」。終わりのベストは、するどく声高らかに、短く、叫びます。これを合唱するのです。それと同時に、両足で跳ねあがり、両手の指は、オオカミの2つの耳のように立てて、頭の両側に上げるのです。 以上が、そのやり方です。 さて、これは何を意味しますか?(右図) それはね、君たちが、両手を使って、ベストをつくすことを意味します。たいていの子供は、右手だけしか、使いませんが、君たちは、右手だけではないのです。君たちのベストは、ふつうの少年のベストの2人分のベストです。「ドウー・ユア・ベスト」は、カブのモットーです。 次に、合唱をリードするカブが「ディッブ・ディッブ・ディッブ・ディッブ」(dyb−dyb−dyb−dyb)と叫ぶ間中、みんなは、あげた両手を、そのままにしています。(dybとは、Doyourbestの意味) その4番目のディッブで、全員はスマートに、左手をおろします。すると、右手は、敬礼になる。2本指を立ててはいますが、指は、ここで開かなければ、敬礼になりません。(あとの敬礼のところを、ごらんなさい) 次に「ウィイイル・ダッブ・ダッブ・ダッブ・ダッブ」と、叫びます。(we'll do our bestの意味)。 4番目のダッブで、全員、右手をおろす。そして、気をつけの姿勢いで、次の号令を、待ちます。 (訳者付記)カナダ本は、少々違う。次に訳出しておく・・・・。 その、やり方は、次のようにします。 年よりオオカミが、「パック」と、ひと声だけよぴかけます。カブたちは、この声で、静まります。それは、じっとして、次の、言葉を待つためです。 アケイラは、声高らかに、「パーーック、パック、パック」と3声叫びます。すると、カブたちは、「パック」と、ひと声、返事をし、走りながら、岩のまわりに、ロック・サークルをつくります。これは、円の中心につけた印を囲んで、小さい円(図の××印の円)になります。 次に、みんなは、両隣の者と、手をつないで2歩さがり、パレード・サークルを作ります。アケイラは、グランド・ホウルをリードする組長の方をむいて、ちょっと、うなずき、合図をします。すると、その組長は、自分の両手を頭上にあげ、それから、まっすぐ下におろします。 カブたちは、この組長の合図に従って、しゃがんだ姿勢をとります。・・・・それは、つま先で立ち、両方のひざは、広くひらき、両手の、人差し指と、中指は、伸ばしてくっつけて、地面につけます。両方の肩は、後ろの方に寄せ、あごは上げ、そして、みんな一緒に、吠えるのです。・・・・一語ずつ、遠吠えします。 「アー、ケイ、ラー」(AH−KAY−LA)(これは、3つに切りますが、どれも、同じ強さで、吠えるのです。)「ウーイーイール、ドウーウーウーウーウ、アーワーアーアーベスト」(W−e−e−ll do−o−o−o−o o−u−ur BEST) ベストは、鋭く、声をはりあげて、短く、一度にいいます。(訳書注、べにカをいれること) これと同時に、飛びあがります。(ジャンプする)。そして、気をつけの姿勢になりますが、左右両手の指は、オオカミの2つの耳のように、かおの、両がわに上むきに立てます。 このあげた両手は、リードするカブが、ゆっくりと号令みたいな調子で高い声を出して、「ディッブ、ディッブ、ディッブ、ディッブ」(Dyb、Dyb、Dyb、Dyb)と、4回叫ぶ間中、そのまま、上げているのです。(この意味は、Do Your Best 君たち、一生懸命がんばれ) ディッブが4回すむと、アケイラは、みんなに向かって、敬礼します。みんなは、左手をスマートに、脇腹に沿って下におろし、右手だけは上げたまま、2本指の敬礼とします。しかし、このとき、敬礼の言葉として、 「ウィーイーイール」(We−e−e−l)と、きいきい声で吠えてから 「ダッブ、ダッブ、ダッブ、ダッブ」(Dob、Dob、Dob、Dob)と、吠えます。(訳書注、カブ全員の合唱の形になる。前のDyb Dybの方は、当番組長の独唱です。こんどの意味は「ぼくらは、自分の全力をつくして、しっかりやります」) この、ダッブの4回目と同時に、みんなは右手をスマートにおろすのです。けれども、まだ「気をつけ」のままでいます。 自分の隊のデンの近くで、ほかの団が集会をしているような場合、この、グランド・ホウルは、地区別に静かに、小さい声でする必要がありますね。 、 さあ、もう一度、しゃがんで、年上オオカミに、どれくらい、グランド・ホウルがよく出来るか、見てもらいましょう。 >>>>目次に戻る↑↑ ●シェアーカンとマウグリイのゲーム 父オオカミと、母オオカミ、それに、子供のオオカミとで1本の糸のように、後ろへ後ろへつながります。一番小さい物が、マウグリイとなって、最後となる。みんな、前の人の腰をつかんで、つながるのです。 そこへ、トラのシェアーカンが、やってさます。そして、マウグワイを捕らえようとします。けれども、捕らえようとするたぴに、父オオカミは、自分のからだを、その方へ向けて、邪魔します。一列につながっているオオカミたちは、みんな、マウグリイを、安全に守ろうとして、体を互いにくっつけ合うのです。 マウグリイは、一本のネッカチーフを、しっぽのようにジャ−ジイの下からぶらさげること。 もし、3分間のうちに、シェアーカンが、このしっぽを、取ることができたら、彼の勝ち、それができなかったらオオカミどもの勝ちです。(訳書注、日本の、子とろうのゲームに同じ) (訳者付記)  ̄ グランド・ホウルを日本では「大咆哮」または「大咆吼」と訳したことがある。日本の実修所の開祖故佐野常羽先生が大正15年、(1926年)ギルウエル・パークで、カブコースを修了きれ、翌昭和2年、最初のカブ・コースを日本で開かれた時、原型のまま、即ち「パック、パック、パック、パック」でこれを始められた。しかし、あとは日本語で「アーケーラ、みんな、しっかり、やります」と言った。そしてdybのところを「しっかり、やれ、やれ」としdobのころを「しっかり、やります」と唱えた。現在、日本は、「輪になろう!」ではじめ「カブ・コールというものを作って、グランド・ホウルに替え、日本流に行なっている。 >>>>目次に戻る↑↑
●グランド・ホウル(Grand Howl)(大咆哮) オオカミたらは、会譲岩のぐるりに円陣になって座るのです。年寄りのオオカミのアケイラが、これはパックの頭ですが、それが、岩のところの自分の場所につくと、みんなは、頭を上の方にそらして、アケイラを、むかえる挨拶のため、大さな声で、吠えるのです。 君たちの、年寄りオオカミのアケイラ(カブ隊長または、ほかの指導者)が、集会にやってきますと、君たちは、若いオオカミがするように、円陣になってしゃがんで、敬礼のためウルフ・カブのグランド・ホウルをします。 そこで君たちは、円陣を作ります。(急いで。ウルフ・カブは、決して、のろのろ歩きません。駆けてします。) つぎに、カカトの上に、しゃがみます。2本の前足(人間のばあい両手)は、両足のあいだの地面につけ、両ひざは、このように左右にひらきます。 次に、オールド・ウルフが、やってきますと、若いウルフたちは、首をあげて、吠えます。これは、怒って吠えるのではなくて、歓迎の意味と、いま一つ、その言いつけに従う心を、示したものです。 パックのコール(叫び声)は、世界中どこでも「ウィル・ドゥー・アワ・ベスト」(We'll do our best)です。ですから、カブ隊長が、円陣の中に入ってきますと、君たちは、あごを出して、声を揃えて、吠えるのです・・・・一言ずつ、長く、引っ張ってほえる「アーケイーラー! ウィーイーイーイール、ドゥーウーウーウ、アーアーワーアーア ベスト」。終わりのベストは、するどく声高らかに、短く、叫びます。これを合唱するのです。それと同時に、両足で跳ねあがり、両手の指は、オオカミの2つの耳のように立てて、頭の両側に上げるのです。 以上が、そのやり方です。 さて、これは何を意味しますか?(右図) それはね、君たちが、両手を使って、ベストをつくすことを意味します。たいていの子供は、右手だけしか、使いませんが、君たちは、右手だけではないのです。君たちのベストは、ふつうの少年のベストの2人分のベストです。「ドウー・ユア・ベスト」は、カブのモットーです。 次に、合唱をリードするカブが「ディッブ・ディッブ・ディッブ・ディッブ」(dyb−dyb−dyb−dyb)と叫ぶ間中、みんなは、あげた両手を、そのままにしています。(dybとは、Doyourbestの意味) その4番目のディッブで、全員はスマートに、左手をおろします。すると、右手は、敬礼になる。2本指を立ててはいますが、指は、ここで開かなければ、敬礼になりません。(あとの敬礼のところを、ごらんなさい) 次に「ウィイイル・ダッブ・ダッブ・ダッブ・ダッブ」と、叫びます。(we'll do our bestの意味)。 4番目のダッブで、全員、右手をおろす。そして、気をつけの姿勢いで、次の号令を、待ちます。 (訳者付記)カナダ本は、少々違う。次に訳出しておく・・・・。 その、やり方は、次のようにします。 年よりオオカミが、「パック」と、ひと声だけよぴかけます。カブたちは、この声で、静まります。それは、じっとして、次の、言葉を待つためです。 アケイラは、声高らかに、「パーーック、パック、パック」と3声叫びます。すると、カブたちは、「パック」と、ひと声、返事をし、走りながら、岩のまわりに、ロック・サークルをつくります。これは、円の中心につけた印を囲んで、小さい円(図の××印の円)になります。 次に、みんなは、両隣の者と、手をつないで2歩さがり、パレード・サークルを作ります。アケイラは、グランド・ホウルをリードする組長の方をむいて、ちょっと、うなずき、合図をします。すると、その組長は、自分の両手を頭上にあげ、それから、まっすぐ下におろします。 カブたちは、この組長の合図に従って、しゃがんだ姿勢をとります。・・・・それは、つま先で立ち、両方のひざは、広くひらき、両手の、人差し指と、中指は、伸ばしてくっつけて、地面につけます。両方の肩は、後ろの方に寄せ、あごは上げ、そして、みんな一緒に、吠えるのです。・・・・一語ずつ、遠吠えします。 「アー、ケイ、ラー」(AH−KAY−LA)(これは、3つに切りますが、どれも、同じ強さで、吠えるのです。)「ウーイーイール、ドウーウーウーウーウ、アーワーアーアーベスト」(W−e−e−ll do−o−o−o−o o−u−ur BEST) ベストは、鋭く、声をはりあげて、短く、一度にいいます。(訳書注、べにカをいれること) これと同時に、飛びあがります。(ジャンプする)。そして、気をつけの姿勢になりますが、左右両手の指は、オオカミの2つの耳のように、かおの、両がわに上むきに立てます。 このあげた両手は、リードするカブが、ゆっくりと号令みたいな調子で高い声を出して、「ディッブ、ディッブ、ディッブ、ディッブ」(Dyb、Dyb、Dyb、Dyb)と、4回叫ぶ間中、そのまま、上げているのです。(この意味は、Do Your Best 君たち、一生懸命がんばれ) ディッブが4回すむと、アケイラは、みんなに向かって、敬礼します。みんなは、左手をスマートに、脇腹に沿って下におろし、右手だけは上げたまま、2本指の敬礼とします。しかし、このとき、敬礼の言葉として、 「ウィーイーイール」(We−e−e−l)と、きいきい声で吠えてから 「ダッブ、ダッブ、ダッブ、ダッブ」(Dob、Dob、Dob、Dob)と、吠えます。(訳書注、カブ全員の合唱の形になる。前のDyb Dybの方は、当番組長の独唱です。こんどの意味は「ぼくらは、自分の全力をつくして、しっかりやります」) この、ダッブの4回目と同時に、みんなは右手をスマートにおろすのです。けれども、まだ「気をつけ」のままでいます。 自分の隊のデンの近くで、ほかの団が集会をしているような場合、この、グランド・ホウルは、地区別に静かに、小さい声でする必要がありますね。 、 さあ、もう一度、しゃがんで、年上オオカミに、どれくらい、グランド・ホウルがよく出来るか、見てもらいましょう。 >>>>目次に戻る↑↑ ●シェアーカンとマウグリイのゲーム 父オオカミと、母オオカミ、それに、子供のオオカミとで1本の糸のように、後ろへ後ろへつながります。一番小さい物が、マウグリイとなって、最後となる。みんな、前の人の腰をつかんで、つながるのです。 そこへ、トラのシェアーカンが、やってさます。そして、マウグワイを捕らえようとします。けれども、捕らえようとするたぴに、父オオカミは、自分のからだを、その方へ向けて、邪魔します。一列につながっているオオカミたちは、みんな、マウグリイを、安全に守ろうとして、体を互いにくっつけ合うのです。 マウグリイは、一本のネッカチーフを、しっぽのようにジャ−ジイの下からぶらさげること。 もし、3分間のうちに、シェアーカンが、このしっぽを、取ることができたら、彼の勝ち、それができなかったらオオカミどもの勝ちです。(訳書注、日本の、子とろうのゲームに同じ) (訳者付記)  ̄ グランド・ホウルを日本では「大咆哮」または「大咆吼」と訳したことがある。日本の実修所の開祖故佐野常羽先生が大正15年、(1926年)ギルウエル・パークで、カブコースを修了きれ、翌昭和2年、最初のカブ・コースを日本で開かれた時、原型のまま、即ち「パック、パック、パック、パック」でこれを始められた。しかし、あとは日本語で「アーケーラ、みんな、しっかり、やります」と言った。そしてdybのところを「しっかり、やれ、やれ」としdobのころを「しっかり、やります」と唱えた。現在、日本は、「輪になろう!」ではじめ「カブ・コールというものを作って、グランド・ホウルに替え、日本流に行なっている。 >>>>目次に戻る↑↑
●シェアーカンとマウグリイのゲーム 父オオカミと、母オオカミ、それに、子供のオオカミとで1本の糸のように、後ろへ後ろへつながります。一番小さい物が、マウグリイとなって、最後となる。みんな、前の人の腰をつかんで、つながるのです。 そこへ、トラのシェアーカンが、やってさます。そして、マウグワイを捕らえようとします。けれども、捕らえようとするたぴに、父オオカミは、自分のからだを、その方へ向けて、邪魔します。一列につながっているオオカミたちは、みんな、マウグリイを、安全に守ろうとして、体を互いにくっつけ合うのです。 マウグリイは、一本のネッカチーフを、しっぽのようにジャ−ジイの下からぶらさげること。 もし、3分間のうちに、シェアーカンが、このしっぽを、取ることができたら、彼の勝ち、それができなかったらオオカミどもの勝ちです。(訳書注、日本の、子とろうのゲームに同じ) (訳者付記)  ̄ グランド・ホウルを日本では「大咆哮」または「大咆吼」と訳したことがある。日本の実修所の開祖故佐野常羽先生が大正15年、(1926年)ギルウエル・パークで、カブコースを修了きれ、翌昭和2年、最初のカブ・コースを日本で開かれた時、原型のまま、即ち「パック、パック、パック、パック」でこれを始められた。しかし、あとは日本語で「アーケーラ、みんな、しっかり、やります」と言った。そしてdybのところを「しっかり、やれ、やれ」としdobのころを「しっかり、やります」と唱えた。現在、日本は、「輪になろう!」ではじめ「カブ・コールというものを作って、グランド・ホウルに替え、日本流に行なっている。 >>>>目次に戻る↑↑